シリーズ私と電子カルテ その4  看護婦の立場から

「紙のカルテ」と「電子カルテ」                         正田 美保


 こちらのクリニックに勤務するようになり1年半。すっかり電子カルテにも慣れてその長所も短所も感じないくらい、当たり前のように日々仕事をしていたのだが、先日ひょんなことからよその診療所の応援に行くことになった。久しぶりに分厚い紙のカルテとの再会。改めて「電子カルテ」の便利さを感じた一日になった。普通よくある紙のカルテを使用した外来診療の流れをここで少し説明すると…。

 @患者さんから診察券を受け取る
 A診察券の番号をもとに事務職がカルテ探し
 B患者さんから簡単に来院の主旨をうかがう
 C検査結果の説明をしなくてはいけない人は検査結果を探しカルテに挟む又は挟まれているか確認
 Dカルテを受付看護婦の所へ運ぶ
 E受け付け看護婦はカルテを開き、患者さんを呼び来院の主旨をうかがい血圧測定や必要な検査など施行・記載する
 F受け付け看護婦はカルテを内科看護婦に運び来院の主旨など必要であれば伝言。
 G内科看護婦はカルテを再度確認して医師の所へ運ぶ
 H医師診療。診療内容の記載と検査があれば詳細を記載
 I医師から内科看護婦はカルテを受け取り検査伝票など書き、処置室看護婦に運ぶ
 J処置室看護婦は検査・処置施行後、会計窓口にカルテを運ぶ
 K会計窓口ではカルテを確認して入力、会計へと進む。
 Lカルテをカルテ棚に返却

 ざっとこんな行程だろうか。さて、当院では電子カルテを用いることによって赤字の部分と青字の一部とを省略することが出来る。もちろんこのとき「私のカルテ」と診察券は運ぶのだが小さく軽く…内容を確認するための物というよりも、姓名を確認する程度にしか使われていない。「私のカルテ」に本日の診療内容や検査結果をプリントアウトしたものを貼り付ける仕事があるが…紙カルテもこの仕事に類似するものはあった。これら赤字部分がなくなることによって看護スタッフの人数はほぼ半分で可能になっており、従来の「舞台裏バタバタ…」といった感じも無くなったように思う。

 以下[電子カルテ」の長所として
*受付通過後はどこからでもスタッフが自由にカルテを見ることが可能(情報をすぐに共有→医師の指示をまたずに次の動きを予測できる、カルテの取り合いが無い)
*タイプ文字によって読み間違いが激減
*各部屋でカルテを積み上げる煩雑さがない
*カルテの紛失がない
*その日の診療患者は一覧となって表示されるので後からでもカルテを見ることが可能
などが上げられる。

 現在の最大の短所としては
*スタッフが意識的にカルテをチェックしなと感染症などの情報を拾い落とす
ということが上げられる。また、コンピューターに慣れないスタッフにとってはどうしても最初戸惑いがあるようだ。

 すでに、当院の看護スタッフ6名は「電子カルテ」にすっかり慣れて、快適に診療を行っている状態である。

 「私のカルテ」はどう使われているかというと、まさに「」がお使いになる。患者さんご自身にとって必要なものになっている。「この前の採血はいつやったかな?」と過去を確認することに使うことも可能。「違う病院にかかった時前の検査データを見てもらいたいな」という時も胃カメラやエコーの写真まで貼り付けられているので便利だろう。従来の病院の分厚いカルテをシェイプアップして持ち歩いているとお考えいただくと、そこにたくさんの情報が詰め込まれていることがおわかりだと思う。