T. 「血圧計について」
血圧を測定する血圧計には、水銀血圧計・家庭血圧計・直接測定計などある。
”標準的な血圧測定法”は、「水銀血圧計で聴診して測る」方法である。
{問題1}「水銀血圧計で聴診して測る」方法を発見したのは、どの国の学者か
@英国の生理学者ヘ−ルズが1733年に発見した(当時の医学の中心は英国)
史上初めて血圧を測定した−馬の頸動脈に銅管を刺しガラス管につなげた
<直接測定法> 垂直に立てて血液の高さで計った
Aイタリアの学者リヴァ・ロッチが1896年に発見した
(かの発明王レオナルド・ダ・ビンチの祖国の医学者だからこそ発見できた)
マンシェット・水銀での血圧測定<間接測定法>(触診):ロッチ法
Bロシアの医師コロトコフが1905年に発見した
(ロシアは、生理学者・パブロフの発見のように医学の実績がある)
ロッチ法の触診ではなく聴診して血圧を測定。現在も基本となる測定法。
”コロトコフ法”---聞こえてくる音をコロトコフ音と言って今も標準。
マンシェット圧を 上の血圧より高くすると血流が止まって音が消え。
それより下げると血流が再開して、血流音(コロトコフ音)が聞こえる。
下の血圧より下げると血流は連続的になり音(コロトコフ音)が消える。
U.血圧は、日常生活で、時時刻刻と変動している。
{問題2}つぎの中で、一番血圧が上がりやすいのはどれか?
@事務作業 A会議での発言 B睡眠
V.血圧は運動で上がりやすい、体位でも変動する。
<血圧測定は座位で安静にして5分はたってから測定するのが原則>
{問題3}一番血圧が上がりやすいスポ−ツは? 血圧が最高記録は??
@重量挙げ Aゲ−トボ−ル Bゴルフ
血圧が上がりやすくて危険なスポ−ツ
B 世界一高い血圧 重量挙げのときの測定:
普段は120/70の選手が、345/245mmHGまで上昇していた!
(480/350mmHgまで上がった例もあったと!!)
---マンシェット測定は血圧300まで---直接測定法で測定した記録
実は@ゴルフ、 Aゲ−トボ−ルも血圧が上がりやすい運動
@ゴルフ:「40−64才までのスポ−ツ中の突然死」の 第一位である
ゴルフ・ドライブとパタ−中の心臓発作が多い、息こらえ+メンタルストレス
一流選手・シニア大会で、パット後にめまい−−血圧250あった
Aゲ−トボ−ル:「65才以上のスポ−ツ中の突然死」の第一位である
平均年齢70.6才(経験3年)の人たちのプレイ中の血圧変化
プレイ前・平均血圧=138/69 プレイ中の平均血圧=164/80
無酸素運動+精神的緊張度が高い運動 = 血圧上げる!
----「息こらえ」+「夢中になり勝負にこだわる」と危険!
@@@ リラックスしてゲ−トボ−ルを楽しめば問題無し
**血圧を下げる運動:有酸素運動 + メンタルストレスのない運動
<お勧めの運動> 歩行 ジョギンング サイクリング
**深呼吸で血圧が下がる:
W.動物の血圧はどのくらいか?
{質問4}一番血圧が高い動物は? どのくらい高いか?
@キリン A七面鳥 Bチンパンジ−
@キリン A七面鳥 Bチンパンジ−
200/ (立位) 302/202 136/86
160/107(臥位)
X.家庭血圧計が普及してきている。
{質問5}家庭血圧計で、患者さんが自己測定する意味はあるか?
@血圧の誤差が大きいので無意味である。A気にしすぎるので有害である。
B診療の参考になるので有益である。
正答:<正しく測定すれば、有益である。>
1.白衣型高血圧の発見に有効。
2.一日の血圧変動タイプがわかる
3.薬の効き具合の参考になる---投薬調節の参考になる。
<正しい測定法>
(上腕測定・座位・連続2回までとする・
医師に報告して判断してもらう=自己判断は禁)
1.上腕測定では、水銀血圧計との誤差は一桁
手首・指測定では 不正確になる
動脈硬化が進むと 測れない人も出てくる・低く出る
2.何回も続けて測ると下がってくる・・
3.下がったので自己判断で薬を止めるのは絶対だめ
Y.血圧測定の正しい測り方について:
座位・上腕測定・安静5分後・連続は2回測定まで
{質問6}血圧測定の正しい測り方 腕の位置について
@腕を伸ばした位置 A水平に上げた位置 B低い位置
(@座位=117/73 立位=121/83高くなる 臥位=114/69と低くなる)
<腕の位置>
測定部位が心臓の高さ(大動脈の出口)=腕を伸ばした位置
それより低いと高くなる
前屈姿勢で伸ばした位置 149/102
腕を下げると 174/117 腕を上げると 126/84
Z.高血圧治療3本柱=薬物治療・食事療法・運動療法
<薬物治療について>
{質問7}高血圧のくすりは一生のみ続けないといけないの?
@高血圧はそもそも体質なので一生飲まねばならないのは当然である。
A生活習慣病なのでなるべく飲まないほうが良く、血圧が下がったら止める。
B体質なので薬をのみ続けることが大切だが、生活習慣の改善が成功して
血圧が安定してきた時に、主治医の判断で、休薬できる場合もある。
{質問8} 薬;グレ−プ・フル−ツと一緒に飲んではいけない降圧剤は?
@Ca拮抗薬(ニフェラ−ト・セパミット・ペルジピンなど
<ノルバスクは問題無し>)
Aベ−タ遮断剤(インデラル・テノ−ミン・ア−ティストなど)
BACE阻害薬(カプトリル・エ−スコ−ルなど)
<食事療法について>
{質問9} 食事は「減塩食」が重要であるが、厚生省推奨では
1日 何グラムまでが望ましいとされているのか?
今日本人は、12g/日の塩分摂取量である。
@9g A7g B5g
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