2002年11月 ふれあい健康教室
「インフルエンザの予防」
“予防が一番インフルエンザ”
(本年度-平成14年度の標語)
「今冬のインフルエンザ総合対策について」より
(厚生労働省健康局結核感染症課)
ホ−ム・ペ−ジ
http://idsc.nih.go.jp/index-j.html
< インフルエンザ 3つの特徴 >
1.38〜39℃以上の突然の高熱に襲われ、頭痛・関節痛・筋肉痛など
全身症状が強い(強く・つらい症状が、突然襲う)
2.気管支炎・肺炎(高齢者)、脳炎(幼児)など重症化して、死亡者が
増える(特に高齢者は死亡者が増える)
3.流行性が強く、短期間に膨大な人数を巻き込む (短期間に、大流行する)
12月から3月が、インフルエンザの流行時期
<質問 1>
「インフルエンザ患者さんが、他人に感染させる危険があるのは、発病後何日まで?」
回答例 @解熱日まで A発病後5日まで B発病後7日まで
正 解 A発病後5日まで
解 説 「インフルエンザの潜伏期・感染危険期間」
インフルエンザの潜伏期は,1-4日,平均で2日感染させる危険のある時期は
症状が出現する前日から発病後5日まで。急激に発病し潜伏期が短いため,
地域での流行期間は比較的短いが、流行は爆発的。地域的には発生から3週間
以内にピークに達し、 3〜4週間で沈静化する場合が多い。
学校保健法での登校基準は,
「 解熱した後2日を経過するまで出席停止とする。ただし、病状により伝染のおそれが
ないと認められたときはこの限りではない
」
<インフルエンザの特徴 死亡者数が増加する>
インフルエンザの脅威をまざまざと示した歴史的大事件
----あの有名な“スペイン風邪”
<質問 2>
「80年前、世界的大流行の“スペイン風邪”での死亡者数は?」
回答例 @400万人から800万人 A1400万人から1800万人 B2000万人から4000万人
正 解 B2000万人から4000万人
解 説 A1800万人とは、第一次世界大戦による戦死者
ちなみに「第二次世界大戦での死者」はなんと4000万人〜5000万人!
< インフルエンザ脅威の源 2つ>
1)驚異的な繁殖力
空気中に浮遊している時には全く繁殖活動はしないが、体内に入ると1個のウィルスが
24時間で100万個に増えるという凄まじい増殖力がある。
2)モデルチェンジ(変異)
繁殖をくり返すなか、人間の防衛機能に対応したマイナーチェンジをくり返す。
時には全く新しい型のウィルスを誕生させたりする。
<質問 3>
「インフルエンザは、 なぜ冬に流行するの?」
回答例 @温度が低く乾燥した冬には、空気中に漂っているウイルスが長生きできるから。
A乾燥した冷たい空気で、人間の皮膚が弱くなるため
B寒いので、人々が家に閉じこもって運動不足になるため
正 解 @ウイルスが長生きできるから。
解 説 乾燥した冷たい空気で弱るのは、私たちの“のどや鼻の粘膜”です。寒いので“室内が密閉”され、
その中にいるとウイルスに濃厚接触しやすい。学校のクラスはウイルス伝染に絶好の密閉室内です。
ですから伝染の拡大を止めるには「学級閉鎖」が有効です。(冬=年末年始の人の移動でウイルスが
全国に広がるとも言われています。)
<インフルエンザ流行の3条件>
@ 低温、低湿で氷が張るような寒さが続く気象条件。
A ウイルスの増殖力が強い(新型ウイルスの場合、増殖する力が強いので要注意)。
B ウイルスの免疫抗体をもっていない人が多い(ワクチンの未接種者が多いこと)。
<過去11年間のインフルエンザ様疾患発生動向(週別)>
12月から3月は、インフルエンザの流行時期です
「国立感染症研究所 感染症情報センター」のホ−ム・ペ−ジから情報が
リアルタイムに公開されています。(http://idsc.nih.go.jp/index-j.html)
<感染成立の3要素と予防の3原則>
感染(インフルエンザ)成立の3要素
1.感染源(病原菌・インフルエンザウイルス)
2.感染経路(空気感染・飛沫感染)
3.被感染体(人の身体)
感染(インフルエンザ)予防の3原則
1.感染を受けないor受けにくい身体にする---抵抗力・免疫力を強める
2.感染経路を断つor少なくする---感染者と接触しない
3.感染源(ウイルス)をなくす---弱めるor強めない
<インフルエンザ感染予防法の具体例>
1) 予防の基本免疫・抵抗力をつける(身体を強める)
@流行前に予防接種を受けること Aバランスよく栄養をとること B疲労を避け
睡眠を十分とる
2) ウイルスとの接触を避ける(感染経路対策)
@ 人混みは避けましょう(君子危うきに近寄らず)。
A外出時のマスクの利用(厚いマスクは一定有効)
B帰宅時うがい・手洗い・衣服払う(ウイルス落とす)
3) ウイルスの生存環境を弱める(病原菌対策) (ウイルスは、寒冷・乾燥がお好き)
@室内では加湿器などで適度な湿度を保つ
A保温も必要
<インフルエンザワクチン 予防接種の効果>
<質問 4>
「インフルエンザワクチン接種で死亡率がどのくらい減るのか?」
回答例 @30% A50% B80%
正 解 B80%
<インフルエンザ予防のための日常生活上の注意>
@栄養と休養を十分取る
疲労・睡眠不足を避ける。体力をつけ、抵抗力を高めることで感染しにくくなります。
A人ごみを避ける
病原体であるウイルスを寄せ付けないようにしましょう。
B適度な温度、湿度を保つ
ウイルスは低温、低湿を好む。乾燥しているとウイルスが長時間空気中を漂っている。
加湿器などで室内の適度な温度を保ちましょう。
C外出後の手洗い・うがいの励行・衣服のホコリ払い落とし
手洗いは接触による感染を、うがいはノドの乾燥を防ぎます。
Dマスクを着用する
ハイリスク群などどうしても予防が必要な方は厚手のマスクを着用しましょう。
咳やくしゃみの飛沫から他人に感染するのを防ぐ効果もあります。
<質問 5>
「マスクをするよう、良く言われるけど、本当に意味あるの?」
回答例 @とても小さいウイルスは通リ抜けてしまい、全く無意味です
A結核予防と同じく、マスクでの予防は有効です
B一定の効果はあります
正 解 B
解 説 *ウイルス単独では、容易にマスクを通過します。人の粘液と一緒に飛ぶウイルスは、
マスクで一定予防できます。
*鼻・ノドなどの保温・保湿効果があるので、一定の意味はあります。
<もしインフルエンザにかかったら 養生・三つのポイント>
@ 保温
温度条件を寒くすると、発熱反応が加速されますから、からだを冷やさないようにしっかり保温しましょう。
A 睡眠
睡眠時は、抗体をつくるリンパ球の活動が促進されます。つまり睡眠を充分とることによって
抗体をたくさん作る能力(抗体産生能)が上がり、回復が早くなります。
B 栄養
栄養のあるものを食べ、水分を補給することも大切。極端に食欲が落ちている場合は、おかゆをとりましょう。
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