ドクターおおばの
医療相談
院長  大場 敏明

食事による花粉症対策

Q 「ここ10年、花粉症に悩まされています。目と鼻に効く薬を医師から処方してもらっていますが、食事など体質改善で症状を軽減できる方策がパソコン画面に溢れています。効果はあるのでしょうか(埼玉・J)」


A 花粉症の季節が到来しております。お悩みの方には、実にありがたくない季節ですね。花粉症の治療と対処法につきましては、当コーナーで、今までに2011年と2015年に解説しております。その中で、食事や生活上の注意については、「バランスのとれた食事、睡眠不足をなくした規則正しい生活」の重要性にふれましたが、"食事などでの体質改善"の方策については、全く述べていません。医学書などには、この食事療法的な方策についての記載がありませんので、私も解説しておりません。

 たしかに、ネット上では、体質改善についての食事療法的な情報が、実に色々と出回っていますね。ある専門医の解説では、食事の注意は、花粉症の症状をしっかりと抑える効果は基本的には期待できないこと、しかし一部には花粉症の症状軽減報告例もあり、ポリフェノールや乳酸菌などの効果と推測されるが、医学的には確認されていないとのことです。

 引き続きネット情報紹介で恐縮ですが、ポリフェノールを多く含むのは、レンコン・玉ねぎ等とのこと、乳酸菌はヨーグルトです。また、お茶にも、ポリフェノール・カテキンなどが含まれており症状軽減例があるとか、バナナ2本を8週間食べ続けた人で、症状改善されたとかの情報もあります。

 食事と体質といえば、食物アレルギーとの関連が心配です。「花粉・食物アレルギー症候群」として、豆乳・モヤシ・ある果物などが、花粉症の引き金にもなっており、一部の食品で花粉症を重症化させる点が問題になっているのです。

 以上、多くのネット情報紹介となってしまい申し訳ありません。食物アレルギーを注意していただければ、そして偏った食事にならない範囲であれば、絶対ダメとは言えません。しかし、それで医学的治療を、受けなくても大丈夫とはなりませんので、くれぐれも誤解なきようにお願いいたします。