ドクターおおばの
医療相談
院長  大場 敏明

A香港型インフルエンザの特徴

Q 「インフルエンザが流行しています。今年はA香港型が大半を占めると報道されています。A香港型の特徴と予防方法、かかった時の対処方法などをご教示下さい。」


A 厚生労働省の発表によりますと、今季のインフルエンザの流行は、昨季より3週間早く始まり、過去10年間のうちで2番目の早さとのことです。そして検出ウイルスの9割以上がA香港型で、専門家は「高齢者はワクチンが効きにくい可能性」「感染後に肺炎など重症化の恐れがある」と注意を呼びかけています。

 A香港型インフルエンザについてですが、A、B、Cの3つあるインフルエンザウイルスの中で、毎年「流行」を起こすのはA型とB型で、中でも大流行を起こすのがA型です。20世紀以後、インフルエンザの世界的大流行は、スペインインフルエンザ(1918)から新型インフルエンザ(2009)まで、すべてA型インフルエンザによるものです。この3番目の世界的大流行を起こして世界でおよそ50万人が亡くなり、その後も毎年のように流行しているのがA香港型インフルエンザです。A香港型の特徴は、感染力が最強で、重症化しやすい特徴があり、特に高齢者では、肺炎を起こし重症化すれば生命の危険も心配されます。

 予防方法と対処方法ですが、毎年のお答えと同じで、以下、厚労省のHPなどから、概要を紹介します。予防方法は、@流行前のワクチン接種 A飛沫感染対策としての咳エチケット B外出後の手洗い等 C適度な湿度の保持 D十分な休養とバランスのとれた栄養 E人混みなどへの外出を控える事です。この中で、ワクチンの有効率が、低下しているとの指摘もあり、A〜Eが重要になってきています。

 対処方法ですが、@具合が悪ければ早めの受診。A安静、休養、特に、睡眠を十分に。B水分補給。お茶でもスープでも。C咳やくしゃみ等ある時は、不織布製マスクを着用 D人混みや繁華街への外出を控え、学校や職場等は休むこと E小児、未成年者では、異常行動(急に走り出す、ウロウロと歩き回る等)のおそれがあり、少なくとも発症から2日間は、一人にならないよう配慮しましょう。