ドクターおおばの
医療相談
院長  大場 敏明

体がだるい。夏の室内作業の対処は

Q 「70代で建設内装を営んでいます。梅雨が明け、体がだるくてなかなか体調がすぐれません。水分は休憩時に、こまめにとるようにしていますが。顔が赤くほてってしまいます。何かの病気でしょうか。また夏の室内での作業はどのような対処方法がありますか。(70代)」


A ご心配されている「体がだるい。顔が赤くほてる」との症状についてですね。まず「体がだるい」ことですが、医療上は、「倦怠感」と表される自覚症状で、それだけで直ちに、病気につながるかどうかの判断はできません。似ている症状として、筋の脱力、動くと息切れがすることなどが、「だるい」訴えになる場合もあります。赤くほてる症状は、発熱にともなう場合が殆どですが、のぼせ感は血圧急上昇でもありえます。

 「倦怠感」が主な訴えである場合は、急に起きたのか、仕事を休んでいても続くのか、発熱・黄疸、血圧・脈拍・息づかいなどはどうか、また、下痢・嘔吐・大汗はないのかを確認する必要があります。仕事中が主な場合は、「室内熱中症」の可能性以外に、血圧上昇による症状、呼吸器疾患や、貧血などの場合も否定できません。一方、仕事を休んでいるときも続く場合は、発熱する「感染症」、「肝疾患」、「代謝疾患」(甲状腺疾患など)の可能性も否定できません。

 急性肝障害は、発熱・黄疸を伴う場合もありますが、今までにない倦怠感などで、血液検査を受ければすぐ診断ができます。貧血症は、動く時の息切れも出たりで、やはり血液検査で診断できます。熱や咳などが出ない感染症は、結核、高齢者肺炎で、決して珍しくはありません。

 「室内熱中症」ですが、熱い室内での作業中に起きて、上記の病気が否定された場合です。部屋の気温や湿度が高く、通気性が悪い環境で発生しやすく、また高齢者の方に起きやすいものです。対処方法は、まず作業室内環境を整備することで空気を入れ替え、室内が高温にならないようにしましょう。その上に、こまめな水分補給、通常以上に塩分を補給する、吸湿性や通気性のよい衣類を着用、手や顔に水をスプレーして涼をとるなどの工夫も有効です。