ドクターおおばの
医療相談
院長  大場 敏明

禁煙外来について

Q 「消費税が8%に増税され、たばこの値段も上がりました。これを機に、禁煙をしようと考えています。「禁煙外来」があると聞いたことがあるのですが、詳しく教えてください。(50代・男性)」


A 消費税増税は庶民いじめですね。でもこの際、是非禁煙に取り組んで下さい。質問者のように、禁煙希望者向けの専門外来が「禁煙外来」です。それが保険適用されるには、医療機関での「敷地内禁煙」「呼気CO濃度測定機の常備」などが必要です。該当するかどうかは、病医院にご確認下さい。

 禁煙外来では、喫煙者が陥っているニコチン依存症に対して、心理的・身体的治療が行われます。心理面での禁煙支援や、ニコチン置換療法(ガム・パッチ等)や非ニコチン製剤などにより、身体的依存への治療が行われます。禁煙治療が保険適応されるのは、患者さんが以下の4条件を満たした場合です。@ニコチン依存度テスト (TDS) で5点以上(10点満点)、A喫煙年数×喫煙本数/日(喫煙指数)が200以上、Bすぐに禁煙希望がある、C文書での同意書サイン。

 実際の禁煙外来を紹介しましょう。「初回」:初診時の問診で、ニコチン依存度、喫煙状況、禁煙の関心度などがチェックされ、治療法の説明を受けます。呼気中の一酸化炭素濃度(CO)を測定し、禁煙開始日を決定して、「禁煙誓約書」へのサインをしていただきます。そして禁煙補助薬(内服薬かパッチなど)の処方を受け、治療開始となります。

 「2回目」:2週後の再診で喫煙状況確認、禁煙開始の方が殆どです。呼気CO濃度は著減し、禁煙開始を確認しあいます。そして次の禁煙補助薬が追加処方されます。

 「3回目、4回目」:4週目、8週目の再診でも呼気CO測定を行い、禁煙継続を確認しあいます。そして離脱症状の有無と、対処法などの援助を受けます。

 「5回目」:12週目の再診が最終回の治療です。禁煙に成功していれば、禁煙を継続するためのコツを理解して卒業です。保険で認められている通院回数は、初診を含めて計5回、期間は約3か月です。さあ、禁煙外来を受診して、タバコよさらば。