ドクターおおばの
医療相談
院長  大場 敏明

禁煙にとりくみたいのですが

Q 「50代の男性です。最近職場の喫煙環境が厳しくなったこともあり、これを期に禁煙に取り組みたいと考えています。長年の愛煙家なため道のりは厳しそうです。アドバイスをお願いします。」


A 喫煙環境は、年々厳しくなっていますね。これは、世界的動向ですし、日本でも、禁煙を勧める各種の法律なども制定されてきております。そして何よりも癌予防・動脈硬化疾患予防などの健康管理上、禁煙がとても重要ですから、ますます推奨されています。

 喫煙が健康に悪いことは、耳にタコができるほど聞かれているでしょうが、おさらいしておきます。まずタバコの煙に含まれる有害物質4千種類以上のうち発癌物質が60種類以上もあり、癌の原因の第一にあげられています。また呼吸器・心臓系・胃腸系の病気の原因ともなり、さらに子供さんやご伴侶など非喫煙ご家族への健康被害にも影響するのです。

 禁煙成功の第一歩は、ご自分にとって禁煙する理由を明らかにしておくことです。まず御自分の健康を守るためであり、さらにご家族への健康障害を予防するためでもあります。さらに、タバコ代値上げで、金銭的理由も小さくありませんね。これらの理由が、禁煙開始の動機ですが、継続の助けにもなりますので、目につくように手帳や机の前に書き留めておくのも方法です。又、自分の喫煙パターンを知っておけば、タバコを吸いたくなる状況への対策を考えることができます。

 禁煙は、決意だけでは成功できません。したがって、禁煙を補助する薬が必要になってきます。これまでも使われてきたニコチンガムやパッチは喫煙の代わりにニコチンを補給することでイライラなどのニコチン切れ症状を軽くするものです。近年登場した内服する禁煙薬がは、ニコチンレセプターをブロックすることでニコチン切れ症状を予防するもので、ニコチンの害を受ずにすむので健康には良いと思われます。しかし、最近内服禁煙薬の副作用として意識喪失、攻撃性などが問題になっており、車運転は禁止とされていますので注意が必要です。

 以上の努力を重ねて、是非禁煙を成功させましょう。