ドクターおおばの
医療相談
院長  大場 敏明

しもやけがなかなか治りません

Q 「小学6年生の女の子ですが、幼児のころから冬から春先にかけて手にしもやけができます。毎年、しもやけになる指が決まっています。市販の薬を塗りっていますが、なかなか治りません。指がパンパンにはれ、痒みやあかぎれなどでただれてしまいました。良い予防や治療法はないでしょうか」


A しもやけは、医学用語では凍瘡(とうそう)と言います。寒冷により、皮膚に血行障害がおきて、痒み、痛み、しびれ感、紅斑や腫脹を生じる病気で、悪化すると水疱や潰瘍も出てきます。また乾燥が強くなると、皮膚に亀裂ができ、赤みが強くなったり出血したりするひび割れ、さらに進むとあかぎれになってきます。

 好発部位は、手、指、足、頬、鼻、耳などの露出部です。家事で冷たい水に触れる女性と学童(汗をかきやすい、血の巡りが良くない子)に起きやすいです。また体質もあるようで、例年発症する場合も少なくありません。

 治療法ですが、まず軟膏治療として、末梢循環を改善させる目的で、ビタミンE軟膏や保湿軟膏を塗ります。また赤み、腫れ、痒みが強い時はステロイド軟膏、びらんや潰瘍がある場合は、プロスタンディン軟膏や抗生剤軟膏も併用します。内服治療としては、ビタミンEの内服、抗アレルギー薬、循環改善薬など、更に当帰四逆加呉茱萸生姜湯という漢方薬が有効な場合もあります。市販薬で治らない時は、皮膚科に受診しましょう。

 予防法ですが、防寒対策とマッサージが期待できます。四肢末端と露出部の保温(防寒具の使用・使い捨てカイロの携帯)、冷水での水仕事の回避、乾燥(濡れた手袋・靴下を交換)、血行改善(きつい靴は避ける)などの対策をとりましょう。冷たい水などに肌をさらした後は、手足のマッサージや暖房機器での保温も必要です。また、手足のマッサージ、ぬるま湯にひたして毎日のマッサージ、日中でも乾布まさつを行ってみましょう。喫煙が悪化因子になりますので、ご家族の禁煙も必要ですね。