ドクターおおばの
医療相談
院長  大場 敏明

仕事中に眠くなることが多い

Q 「仕事中に眠くなることが多く、女性の上司に注意されます。夜は6〜7時間は寝ているのに、歩いているときでも眠くなることも。心の持ちようでしょうか。それとも、病気の可能性があるのでしょうか。」(福岡・K)


A  仕事中に眠くなることが多いが、病気の可能性があるかとの,ご質問ですね。

 まず、この眠気が、睡眠時間不足など生活習慣の問題かどうかの判断ですが、睡眠時間が6−7時間とのことですので、一応平均時間と想われます。でも、必要な睡眠時間は個人差が多くて、8−9時間も寝ないとだめな方もいますし、季節や環境によっては必要な睡眠時間が異なることもあります。また飲酒・過労・ストレスなどの影響で、熟睡出来ていない場合もあるかもしれません。例えば、寝る前の飲酒量が多いと眠気はきても、浅い睡眠なので熟睡感が弱く、翌日の眠気の原因になっている場合があります。このように生活習慣に原因があって、必要な睡眠が取れていないための場合は、その是正が必要です。

 日中の眠気が、これらで説明がつかない場合は、次のような病気による可能性が考えられます。

1.睡眠時無呼吸症候群(SASと略)
2.睡眠関連運動障害(むずむず脚症候群など)
3.ナルコレプシー
4.うつ病

 などです。

 一番ポピュラーなのが、1のSASですが、昼間の強い眠気以外に、いびき、とくに無呼吸後の猛烈ないびき、熟睡感がない、起床時の頭痛などの症状を訴え、睡眠中に頻発する呼吸停止(無呼吸)を特徴とする疾患です。そのほとんどは気道が閉塞する閉塞型SASです。「いびき」と「無呼吸」のために安眠を妨げられたり、心配したりの家族から、受診をすすめられる方が少なくありません。

 この病気は、年齢的には中年以後、体型的には太った人に多く、成人男性では10%を超えるという調査もあります。この病気を疑う場合は、まず家族に、睡眠中の様子を見てもらい、呼吸が10秒以上止まることが、一晩に5回以上あると、この病気が疑われますのでぜひ受診して下さい。入院検査だけでなく、在宅でもできる簡易な検査もありますので、ご相談ください。