ドクターおおばの
医療相談
院長  大場 敏明

不眠症で、安定剤を貰っていますが不安です  2002.10.

Q:寝つきはいいのですが、夜中にパッと目がさめてそのまま朝まで、眠れない時が度々あります。安定剤を出してもらっていますが、飲み続けると癖になったり、量が増えたりしないかと心配です。      ( 49歳 男性 )

A: 眠れない(不眠)時があるが、出された安定剤について、不安を持っておられるとのことですね。よく出される不安ですが、結論からお話ししますと、安定剤をお続けいただいてご心配される点はまずないと考えられます。ただし、不眠には、その原因とタイプがありまして、それに応じた治療がなされ、タイプにふさわしい薬が出されていることを前提としたお話しです。
 不眠の原因としては、環境要因、心理的原因、器質的疾患(甲状腺疾患・睡眠時無呼吸症候群など)、精神疾患によるもの(そう病・鬱病など)、薬や嗜好品によるもの(カフェイン・アルコール・インターフェロン等)などあります。いずれの原因であれ、まずは安定剤・睡眠薬を出すことが多いですが、原因によってはそれに対する対処をしないと、不眠が改善しなかったりします。
 不眠のタイプは、大きく3つに分かれます。一つが、入眠障害で、「寝付きが悪い」・なかなか寝つけない形です。二つ目が、中途覚醒や早朝覚醒で、寝付けるが、途中で目が覚めてしまい、眠れなくなってしまう、あるいは朝早く目が覚めてしまうもの、。三つめが、熟眠障害として、熟睡できない、眠りが浅くて寝た気がしないものです。そしてタイプに応じて、睡眠薬の種類を決めていきますが、入眠障害には、作用の発現が早い就眠薬、中途覚醒や熟眠障害には、効果の持続が長い熟眠薬が適しています。
 質問者の不眠のタイプは、中途覚醒になりますので、熟眠薬であれば、有効であると考えられます。また、通常量であれば、「くせになる」こともまずなく、量が増えたりすることも、多くはないと思われます。ただ、薬は減らせれば、その方がベターなので、その点も含めて、ご心配な点は主治医の先生とよく相談しながら、不眠の治療をお受け下さることが大切と思います。