ドクターおおばの
医療相談
院長  大場 敏明

2002/5  「頭痛が断続的に続きます」

Q 頭痛が断続的に続きます。ときたまズキンと痛いほどですが、じっとしていると おさまります。もう2年になり、外傷はないのですが、何かのまえぶれでしょうか。(41才 女性)

A 2年前から断続的に続く頭痛とのことで、何かの前触れかと心配されているご様子ですね。まず頭痛の種類ですが、大きく分けると2種類あります。これまでに経験したことがない急におきた「急性頭痛」と、何度も繰り返して起きている「慢性頭痛」とです。
 急性頭痛は、頭の中に病気があるもの(くも膜下出血・脳梗塞・髄膜炎・硬膜下血腫など)と、頭以外に病気があるもの(高血圧に伴う頭痛・副鼻腔炎・かぜによる頭痛など)とに分けられます。一方、慢性頭痛としては、緊張型頭痛・片頭痛・群発頭痛・てんかん性頭痛などがあります。
 このうち頭痛が前触れとなる病気は、急性頭痛の方ですが、病気を診断するには、種々の検査が必要で、早く受診しなければなりません。ご質問者の頭痛は、断続的に続くものですので、急性頭痛ではなく、慢性頭痛のタイプの方が考えられますが、もし今まで一度も検査を受けておられなければ、頭の中の病気を否定するために検査する必要があります。
 血圧測定などの診察と、頭部CT、MRI、脳波などの検査で異常がなければ、頭痛の場所と性質などから、慢性頭痛のタイプを診断していきます。
 一番多いのは「緊張型頭痛」で、5−6割を占めています。後頭部から左右対称に側頭部に広がったりする頭痛です。肩こり・後頭部の張りなどを伴うことも多いです。次に、「片頭痛」も少なくありません。特徴は、片側の拍動性頭痛(ドキンどきんと脈を打つように痛む)で多くは嘔気・嘔吐を伴います。いろいろな前駆症状が出やすく、キラキラ光るぎざぎざの暗い点(閃輝性暗点)が有名です。「群発頭痛」は、片方の眼を中心にして、額から上顎部に火箸をあてたような強い頭痛が続くのが、特徴的ですが、頻度は少ないものです。
 最近、新しく片頭痛の特効薬も出てきていますので、頭痛の原因・タイプを診断することが、適切な治療につながります。心配しているだけでなく、是非、受診しましょう