A 実に不快な症状ですね。「三日月のような形でチカチカする症状」といえば、確かに閃輝暗点が、一番考えられるかと思います。これに引き続いて、ズキンズキンとする頭痛(拍動性頭痛)が、起きてくれば、典型的片頭痛と診断されます。しかし、まれには閃輝暗点だけが見られることがあるようで、これに該当するのかもしれません。つまりこれから、片頭痛になっていくのかもしれない、あるいは、このまま閃輝暗点が見られるだけなのかですね。
でも、眼科的な病気にも、似た症状があります。視野が欠けるとか、光が見えるなどのような「閃輝暗点」似た症状の病気は、@飛蚊症(目の前に蚊のような黒い点などが動いている)、A網膜剥離(飛蚊症などでの異物の数が増えたり、 ピカピカ光る)、B緑内障(暗点が拡大し、見えない範囲が広がる)、C黄斑変性症(真ん中が見えなくなったり、視力が著しく低下)です。眼の病気に共通しているのは、片方づつ交互に目を閉じると、あいている方だけに見えて、両目を閉じると見えなくなる点です。質問者の場合は、つまり目を閉じても開いても起こる「閃輝暗点」は、眼球の疾患ではないということがわかります。
そこで、心配されるのが、脳の血管神経学的疾患(TIA 脳梗塞)、そしててんかん、良性発作性頭位めまい症などです。特に、脳梗塞の前兆の恐れは、動脈硬化、高血圧、糖尿病、高脂血症、不整脈などの、血管を詰まらせる血栓を抱えている人が多く、閃輝暗点の症状が出た場合は、脳梗塞の前兆である一過性脳虚血発作の場合も疑われるのです。脳梗塞の最初に起こりやすいのが視界の異常で、脳梗塞の発作の前に約3割の人がなんらかの一過性脳虚血発作として、さまざまな前兆が起こといわれています。具体的に脳梗塞の前兆として閃輝暗点も含め、以下のような視界の異常があらわれます。ひとつの物が二重に見える 視野が部分的に欠ける 視野に黒っぽい点が見える 突然、視野が暗くなる 視界に稲妻のような光が走るなどです。
「閃輝暗点」の診断方法は、まずは眼科の受診をお勧めします。その後、眼科医の指示で内科なり、脳神経科などその他適切な治療を受けてください。「閃輝暗点」が、脳内血管の神経病理学的な疾患が疑われるとしても、まず眼科で、眼球や 網膜などに異常がないことを確認することが先決だからです。
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