ドクターおおばの
医療相談
院長  大場 敏明

お金をかけない、熱中症対策

Q 「67歳です。都内23区に住んでいますが、消費税増税とアベノミクスの影響で生活費を切り詰めています。室温は夜でも30度を超えるときもあります。お金をかけず、熱中症にならない工夫などご教授ください。(東京・H)」


A お金をかけない熱中症対策のご質問ですが、以下の3点、情報を提供します。

 1 室温を下げる工夫  まず窓や壁への直射日光をさえぎる事が有効で、室温の上昇を防ぐことができます。窓際やベランダ、出来れば日の当たる壁全体にすだれや、ゴーヤ・朝顔・葉っぱの大きな植物でのグリーンカーテンなどで日光の直射を防げます。野菜栽培や朝顔の花の鑑賞ともなり、一石二鳥です。また打ち水や霧吹きで涼風も期待できます。

 窓を全開にしても、夏はなかなか風が入って来ません。扇風機の活用ですが、体を冷やすとともに、部屋の空気が窓の外に向かって流れるように風向きを調節することが有効です。扇風機に霧吹きをかけると、清涼感が一層増します。

 2 体感温・皮膚温を下げる対策   通気性の良い麻など、清涼素材を使った服や、保冷剤や冷たいタオルの使用は有効です。水に浸した日本手拭いを首に巻くと、首筋がひんやりして暑さでぼっとしていた頭がスッキリします。霧吹きで水を体に噴きかけて、扇風機にあたると、気化熱で涼しく感じます。

 熱帯夜は、とても寝苦しいですね。体感温度を下げる氷枕や保冷剤を、夜使用します。朝まで効果が続いています。就寝具を通気性の良い麻などの生地のシーツや、その下に畳地のカーペットを引くと快適な睡眠が期待できます。

 3 水分補給と朝型生活への切り替え 日ごろからの体力作り・栄養管理が重要なのは、熱中症対策だけではありません。栄養バランスのとれた食生活、日頃からのこまめな水分補給、適度な塩分補給も心がけましょう。水や麦茶には、塩や梅干しなどを足しましょう。 なお、ビールなどでは尿量を増し水分を排出してしまうため、水分の補給にはなりません。

 早起きは3文の得です。午前4時過ぎから明るくなりますので、朝の涼しいうちから行動して用事を済ませてしまうという方法も有効でしょう。