ドクターおおばの
医療相談
院長  大場 敏明

夏の湿疹

Q 「夏日や真夏日が続き、腕を中心に吹き出物が出てきました。かゆみもあり、皮膚科を受診したところ「ダニなどの虫刺されではない。湿疹です」と言われました。これから蒸し暑い日々が続きます。予防策や他の病気との関係性があれば教えてください。(東京・l)」


A 夏になって、腕などに、かゆい湿疹が出現するというお悩みですね。

 湿疹の原因は、多様ですが、高温多湿な季節だけに出現するという場合は、まずあせも(汗疹)が考えられます。汗疹は、汗と衣類による接触性皮膚炎ですが、体温調節がまだ上手でない乳幼児に多い症状です。しかし、近年は、環境の変化などで、大人にも出やすくなっています。発汗とベルトや下着など衣類で、皮膚の締め付けや座り続けての臀部の圧迫などで、湿疹が出現しやすいのです。

 汗疹の予防は、まず汗を抑えることですが、避けられない発汗には、適切な対処が重要です。通気性のよい服を着て、クーラーを適度に使用し、汗のかきすぎに注意しましょう。また発汗後は、タオルなどでよく拭き、シャワーを浴びる等が予防策です。就寝時にも冷房や除湿をかけたり、かゆみを感じても掻きむしらないようにすることも必要です。痒くなったら保冷剤で冷やすこと、また汗疹が出た場合には、弱ステロイド軟膏の塗布も効果的です。

 次に金属アレルギーも考えられます。ネックレスや指輪などのアクセサリー類、下着の金具、ジーンズのボタン、腕時計のベルトなどが原因になって接触性皮膚炎がおきます。腕時計の皮ベルトや、カミソリやシェーバーが原因の場合もあります。対策は、結局「身につけるのを避ける」しかありません。第3の原因は、日光過敏症で、色白の人に出やすい症状です。腕や肩を露出するようになると、通常は隠れている部位に、直射日光(紫外線)が当たってかゆくなります。予防策は直射日光を避けることが一番で、日焼け止めの活用なども有効な場合があります。内科でもらっている高血圧や高コレステロールの調整薬を飲むと、副作用で皮膚が紫外線に弱くなる場合があり、内服中ならかかりつけ医などにご相談下さい。