ドクターおおばの
医療相談
院長  大場 敏明

4月のインフルエンザ、温度差の激しい時期の体調管理

Q 「塗装業の30代です。4月は雨の日が多く気温も低い日が続きました。晴れた日に一気に仕事を片付ける日が続き、体調を崩しました。インフルエンザと診断されました。いつまで気をつければいいでしょうか。また温度差の激しい時期に体調管理の仕方などありましたらご教示ください。(千葉・D)」


A インフルエンザは、冬に流行することが多いので、春先の4月に、インフルエンザに罹るとは意外に思われるかもしれません。しかし、私のクリニックの経験でも、4月になっても、インフルエンザの感染者は、まだ出ています。勿論、冬の流行期と比して、10分の1以下という、少数になっていますし、気をつける時期は4月一杯まで、5月以降は、極めてまれです。

 また、4月のインフルエンザは、殆どがB型で、A型が主の冬の流行期とは、明らかに違います。B型インフルエンザの特徴は、胃腸炎症状や気管支炎症状も目立つことです。熱は、38度〜40度近い高熱の場合が多いA型と比べると、微熱程度だったり、さむけや悪寒なども軽い傾向にあるようです。また咳が出て痰がからみやすい傾向もあるようです。そして、A型にかかったあと、B型にも感染してしまう場合も起こりますので、予防の注意は4月一杯続けましょう。

 診断は、通常の鼻水での検査で、B型は診断つきますし、治療法もA型と同じですが、症状が軽い場合も少なくないので、抗ウイルス薬が不要な例も少なくありません。抗ウイルス薬の使用が、我が国は大変多くて、「タミフル」の世界消費量の約75%を占めているという事実があります。私は、抗ウイルス薬の使用を最小限にする方針でいます。対症療法と、安静・保温・栄養補給が重要だと説明しております。

 春先の温度差の激しい時期の体調管理ですが、自律神経のバランスが崩れて、春になると眠くなったり、疲れやすくなります。気温の変動の激しさに対応しきれないため、不快な症状が起こりやすくなると考えられているのです。

 また栄養バランスの良い食事をとり、生活のリズムを整え、気温の変化に注意して風邪をひかないように温かくして寝るようにしましょう。