A 「うがい」といえば、喉(のど)の洗浄ですが、ご自分で行う鼻の洗浄が「鼻うがい」です。これは、昔から行われていまして、私の親父が、風邪のときに、器用に鼻を洗浄していたことを思い出します。私のクリニックには、風邪や花粉症の患者さんが多く受診されますが、かかりつけ医としては、喉のうがいは推奨いたしますが、鼻うがいは奨めてはいません。私自身も風邪は、患者さんから外来で頻繁にもらいますので、予防には、喉のうがいと手洗い等で殆ど大丈夫です。今まで鼻うがいの経験はありませんが、子供の頃耳鼻科で看護婦さんから鼻洗浄を受けたことがあり、すっきりした記憶はあります。
ネット情報等によりますと、鼻から専用の洗浄剤や食塩水を注入して、かんでも出し切れない粘っこい鼻水を流し出すと、洗浄と潤す効果があるようです。鼻の奥とのどの境界付近まで洗えるので、鼻をかむよりすっきり感が期待できるようで、蓄膿症(副鼻腔炎)や花粉症などの対策として改めて注目されてきているようです。しかし、医学的には一般教科書には記載されておらず、効果が検証されたデータはありません。
リスクですが、鼻うがいのやり方を間違えると中耳炎の原因になると言われています。確かに、鼻腔の後方には耳と通じている管があり、ここに雑菌を含む洗浄液が流れ込むと菌の汚染が心配されますね。また、もし誤嚥すれば肺炎になったりすることもありうるかと思われます。洗浄した水をきちんと吐き出せない方は行うべきではありません。また、うがいしすぎると鼻粘膜の機能を低下させるとの指摘もされています。洗面器から鼻に吸い込んだり、真水を使うのは鼻の痛みや中耳炎を起こす原因ともなるようです。正しい指導を受けて、専用の洗浄剤や食塩水を注入して、安全に行うことが必要ですね。先ず、かかりつけの耳鼻科医の先生などにご相談ください。
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