ドクターおおばの
医療相談
院長  大場 敏明

初めて花粉症を発症 対処方法

Q 「40代です。2月の中旬から外に出ると涙が止まらなくなり、喉もかゆくなりました。これまで花粉症とは無縁でしたが。対処方法のご教示をお願います(東京・G)」


A 初めて花粉症の症状を体験したが、対処法を教えてほしいとのご質問ですね。まず気になるのが、それが花粉症なのかどうかの診断についてです。確かに外に出ると症状がひどくなるとは、いかにも花粉症っぽいところですが、冷たい外気にあたって出てくる寒冷性など他のアレルギーのものや、風邪の時でもありえるかなと思います。又、症状ですが、花粉症の場合は、大体多いのが鼻水・くしゃみ・鼻づまり・目のかゆみで、それが4大症状とされています。質問者の症状は、涙と喉の症状が目立つようですが、鼻炎症状はさほどひどくないのでしょうか。どうも典型的な花粉症の症状とは言えませんが、勿論それで花粉症を否定できるものではありません。

 花粉症によく似た目の症状を起こす病気として、アレルギー性結膜疾患があります。種々のアレルギーで起こる病気ですが、花粉以外の原因で起きる病気です。また、注意すべき病気として流行性角結膜炎があります。これはアデノウイルス感染によって起こる風邪の一種です。その症状は、どちらか片方の目に現れ、耳の前のリンパ節が腫れることもあります。でも、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの、鼻の症状はともないません。このように花粉症の症状が出ていても、類似の病気もあり、それに応じて治療法も異なってきます。症状が強い場合は、一度は、診断を受けて頂いた方が良いかと存じます。

 さて花粉症と診断された場合の対処法は、平成23年2月の当質問コーナーで回答しており、再紹介致します。第一に、花粉の回避と生活の注意、第二に抗アレルギー薬の早期内服、第三に、外科的治療法での予防、第四に、アレルゲン免疫療法(舌下療法など)の選択などです。第一の対処の追加として、日常生活でできる予防法は、1.外出時に花粉を避ける 2.室内に花粉を持ち込まない 3.室内の花粉を減らす 4.花粉情報の活用 5.雑草を刈り取ることなどです。