A 手や足の指の付け根などが、紫色に変色したり内出血のようになるとのことですが、紫斑(しはん)という皮膚変化と思われます。これは、皮内か皮下の血管の外に、血液が漏れ出した状態で、出血斑とも皮下出血とも呼ばれます。ぶつけた記憶がないとか、痛くない時もありますが、出血したものです。紫斑に似たものとして、紅斑(こうはん)という皮膚変化があります。これは、血管の拡張により皮膚表面が発赤したもので、出血とは異なります。ガラスなどの透明な板による圧迫で消失するのが特徴で、紫斑は圧迫しても消失しませんので、明確に区別されます。ご自分でもお試し下さい。
紫斑をきたす疾患を、紫斑病と言いますが、血液の病気(各種の血小板減少性紫斑、貧血 白血病など 腫瘍の骨髄転移 特発性血小板減少性紫斑病)、膠原病(全身性エリテマトーデス)、肝臓・腎臓病(肝硬変、尿毒症)、ビタミンK欠乏症、薬剤性などがあります。これらは、血液検査などにより、原因が特定できますので、かかりつけ医にご相談ください。一方、血液検査などで異常のない紫斑病としては、単純性、老人性、血管性などがありますが、これらは体の異変ではなく、心配はありません。
質問者の場合、血液検査での異常の有無を、まず確認くださることが重要です。そして、例えば異常がないとすれば、年齢からは老人性紫斑病、内服薬からは薬剤性紫斑病とが、疑われるかと存じます。狭心症+高脂血症のときに、抗凝固薬、抗血小板薬などを使用することが少なくありません。ワーファリンとか、アスピリンなど常用薬が、紫斑の原因になりえますので、主治医の先生に、良くご相談下さると安心かと存じます。
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