ドクターおおばの
医療相談
院長  大場 敏明

30代で手足の冷え

Q 「秋から冬に移行する時期ですが、加齢とともに手足の冷えが年々ひどくなっています。真冬の時期は靴下をはかないと寝られません。体温も20代の時は36度後半でしたが、今は35度前半です。仕事はデスクワークが基本です。体質の転換や対処方法など改善できる点をご教示ください(30代男性)」


A 手足の冷えで悩まれている30代男性のご相談ですね。従来、冷え性は、女性の悩みと考えられてきましたが、近年男性にも増えてきているようです。「体の冷えを感じるか」との調査には、20〜40代の男性でも6割以上の方が感じると答え、また「冷え症は?」との質問に、20代男性でも4人に1人は「悩んでいる」とのことです。オフィス生活による運動不足と筋力の低下、夏の冷房生活や夏ばて、ストレスや過労、不規則な生活や偏食などが重なって、体内外から冷えて低体温となり、末梢血管が収縮し手足を冷やして、体調不良になると思われます。

 まず仕事関連での対策ですが、デスクワークの間などに、ストレッチ等で筋肉をリラックスさせましょう。又通勤時など日常生活の中でのウオーキングを励行し、筋力アップと血行改善に努力しましょう。又ストレスをためないこと、夜更かしを避け生活のリズムを整え、休日には十分休養し適度に運動しましょう。喫煙は血管を収縮させ、血流を悪くするので禁煙も重要です。

 次に体を冷やさないことも必要です。適度な運動や適切な厚着で、手足や腹部の保温に心掛けましょう。腹部などが冷えると手足が冷えますので、腹巻きなども効果的です。通勤などでの汗で冷えた肌着も放置しないで交換したいところです。冷えを誘発する下着による締め付けも要注意です。

 冷えを予防する健康な生活の根本は、やはり食事です。まず3食をきちんと取りましょう。旬の野菜や果物、たんぱく質などバランスのとれた食事で、栄養・ミネラル・ビタミンを適切に補給しましょう。トウガラシやショウガなども食事に取り入れ、体を温めるのも効果的です。会議や夜の酒席などでは、冷たい飲み物や、体を冷やす糖分のとり過ぎ等も注意しましょう。