ドクターおおばの
医療相談
院長  大場 敏明

夏バテへの対処法

Q 「40間近のアラフォー世代です。昨年の今頃、夏バテのせいか、一週間ほど寝込んでいました。ノロウイルスに似た症状になり、発熱、嘔吐、胃痛、下痢などが止まらず、大変でした。もう二度となりたくないです。よい対処法を教えてください。(40代)」


A 1週間も寝込んだとは、大変でしたね。その時の症状からは、いわゆる「夏バテ症状」だけというよりも、つらい発熱もあったようですから、感染性の胃腸炎にも罹ったと疑われますね。おそらく、夏バテで免疫力が落ちていて、細菌かウイルスに感染したのではと推察いたします。

 夏バテの症状は、全身倦怠感・思考力低下などの全身的症状と食欲不振・下痢・便秘などの胃腸症状が主に出ます。そして、時に頭痛・めまい・発熱を伴うこともありますが、寝込むほどの胃腸症状と発熱はまず出ません。受診されて検便検査を受けていれば、細菌性かどうか、またウイルスかどうかなど、診断がつくかと思います。ただ、ノロウイルス検査は、保険適用に年齢制限があり、40才前後ですと自費となります。

 さて、ご質問の対処法ですが、夏バテと感染性胃腸炎への対策となります。

 まず「夏バテ対策」ですが、実は、昨年と一昨年の当相談欄で、質問にお答えしておりますので、ご参照ください。そのポイントは、@生活習慣の調整、(高温・多湿対策、冷たい飲食は控える)、A食事・水分の取り方、(水分の十分な補給、しっかりと食べる)、B適度な運動と良眠です。体調を整え、夏バテを解消することで、免疫力・抵抗力をつけましょう。

 次に、「感染性胃腸炎対策」ですが、@最も重要な予防対策は手洗いです。帰宅時、食事前などには、流水・石けんによる手洗いを行いましょう。「2回洗うこと」も推奨されています。A貝類の内臓を含んだ生食や生肉、また火が十分に通っていない魚介類・肉類は、時にウイルスや細菌感染の原因となりますのでご注意ください。B生野菜など火を通さない食品も、注意が必要で、よく流水で洗ってください。C特に調理や配膳に際しては、充分に流水・石けんで手を洗ってからおこなってください。