ドクターおおばの
医療相談
院長  大場 敏明

若年性白内障について

Q 「26歳の次男は白内障で、病院で手術を勧められました。しかしまだしていません。白内障は年齢を重ねると、症状が悪化するのでしょうか。親としてできることは何でしょうか。本人がその気になるまで、待つしかないのでしょうか。」


A 次男さんの白内障について「親としてできることは」とのお尋ねですが、実は、同じようなご質問が平成24年3月にもありました。前回の方も同様に、親御さんが大変悩まれておられました。前回の回答では、若年性白内障の病状、原因、治療など概説しました。そして「進行予防」については、「原因への対策を取る」可能性はあるが確実な効果は期待できず、「効果があるのは手術治療だけ」とまとめました。

 ご次男の方は、病院で手術を勧められているのですから、残念ながらそれ以上の医学的治療法はないだろうと思われます。それでも、親としてできる「原因への対策」はとの質問ですが、医学教科書には殆ど記載がありません。諸情報から、少しでも参考になればと、以下紹介させていただきます。

 まず、アトピーの関連が指摘されます。重傷なアトピーの3割に目の合併症がおき、白内障もふくまれます。その原因として、痒みが我慢できずに目を強くこすったり、たたいたりして、外傷を受け、水晶体が濁りやすくなるとのことです。従って、アトピーの場合は、しっかり治療して、こすらない努力は意味があるかと思います。

 次に、「活性酸素」が関与しているとの説があります。これは人間の老化進行の原因の一つとされ、放射線や紫外線などの外部刺激のほか、食生活などの生活習慣の問題が指摘されています。まず紫外線対策ですが、サングラスをかけて目を守るようにしてください。また関係している可能性も指摘されている生活習慣としては、栄養の偏りや運動不足、喫煙、ストレス、過労などがあげられます。食生活については、肉類や高脂肪食中心を改め、植物性蛋白と野菜類を多く摂取しましょう。また抗酸化栄養素であるビタミンCの摂取が予防につながるとも言われております。

 つたない説明ですが、すこしでも参考になれば幸いです。