A ノロウイルスによる食中毒が、続々と報道されています。昨年、12月には、各地の飲食店などでお客さんに集団発生、今年になって小中学校で、集団食中毒が多人数出ています。驚かされたのが、浜松市の17の小学校での集団食中毒で、1100人以上に発生し、その原因が給食に出た食パンによるもので、この食パンを製造した会社ではノロウイルスに感染したが無症状の従業員がいて、出荷の過程で、食パンにノロウイルスが付着したとのことで、改めて、ノロウイルスの感染力の強さに驚かされます。また広島市では、10の中学校で、弁当製造会社からのデリバリー給食が原因で、生徒と教師あわせて320人以上が発生しています。
ノロウイルスで、重症化しやすい高齢者にも感染者が続出しています。介護付き有料老人ホームや介護老人施設(48人発症、70代の女性が一人死亡)、京都市の総合病院(院内感染で100人以上が発症、うち80から90代の入院患者4人の死亡者)などです。
1月の上旬のデーターでは、過去10年間で2番目に多い発生と報道されており、例年2月頃までは、多発するので、要注意です。
ノロウイルスは、冬場にピークを迎え、感染力が強く、少量のウイルスでも感染させます。感染すると、1〜2日後に、吐き気や激しい下痢、筋肉痛などの症状が出ます。健康な成人は2〜3日で回復しますが、子どもや高齢者が感染すると重症化する心配があります。しかし、ごく軽い症状の場合もあり、さらに無症状の場合もありますので、そこからさらに感染がひろがり、集団発生に広がる危険があるのです。また、このウイルスは症状がなくなっても、通常では1週間程度、長いときには1ヶ月もの間、ウイルスの排泄が続くことがあるので、症状が改善した後も、しばらくの間は調理など直接食品を取り扱う作業には従事させないようにすべきです。
ワクチンがなく、治療薬もないので、感染しないような予防と、感染しても免疫力・抵抗力をつけて備えることと、万が一発症した場合の家庭内での適切な対処が重要です。予防には手洗いを徹底することが重要です。洗い方は個人で癖があるので、「2回洗うことが一番の予防策」としています。
|