A 風疹の大流行が続いています。厚生労働省によると、今年に入って報告された患者数は、昨年と同じ時期の20倍以上に達しており、平成16年以来の大流行になる恐れがあるとのことです。都道府県別にみると、東京の患者数が45%で、神奈川、千葉、埼玉の順に多く、首都圏を中心に流行し、全体の8割以上をしめているのです。
年代別・性別にみると、20〜40歳代の男性が、全体の7割近くに及んでいます。この世代は、予防接種制度の変更による費用負担の問題で、接種を受けていない人が多く残ったわけです。1977年に始まった定期予防接種は女子中学生を対象としており、男子が対象になったのは10年以上も後だったのです。
風疹は咳やくしゃみ、会話などで飛び散ったウイルスを吸い込む事によって広がり、例年春先から夏にかけて増加します。症状は、発熱や発疹、そして頚部リンパ腺の腫れが特徴です。多くは、比較的軽い症状で済みますが、妊娠3ケ月までの女性が感染すると、「先天性風疹症候群」(CRS)が8割という高率に発生する危険性があります。CRSとは、心疾患や白内障、難聴などの重い障害が残るもので、風疹ワクチン接種による発生も危惧されています。CRSは、平成24年10月以降、全国で6例報告されており、要注意です。
風疹はワクチンで予防可能とされています。しかし妊婦自身は、接種を受けることができません。従って、妊娠予定の女性やその家族は、妊娠前2ケ月の余裕をもって接種するのが良いとされています。従って、生理中か、その直後の接種がより安全であり、接種後は2ケ月の避妊が必要です。また、小児期に風疹になったと親が言っても、記憶違いだったり、妊娠予定期に十分な免疫がない場合もあり、接種歴が不明の場合は、すぐに接種を受けましょう。過去に接種して免疫がある人の場合でも、予防接種を受けても問題はないとのことです。
|