ドクターおおばの
医療相談
院長  大場 敏明

骨粗しょう症の症状と治療は

Q 「友人が骨粗しょう症と診断され、ました。同世代ということで私自身も心配です。高齢者の骨粗しょう症の症状と治療を教えてください。酷くなったとき、治療は長引くのでしょうか。(80代・女性)」


A 骨粗鬆症は、確かに高齢者には、とても多い病気です。強い老化現象などで、骨の主成分のカルシウム(Ca)が減少して、骨の中の微細構造が壊れ、もろくなり、骨折しやすい状態になります。骨の量(骨量)は、10代後半から20代をピークにして、その後年齢とともに減り、若年成人平均値の70%未満になると骨粗鬆症と診断されます。女性の場合は、閉経後に急激に骨量が減少しますので、40歳以上の有病率が男性の3倍以上にも及びます。また部位別に見ると、大腿骨頸部では、26%もの高率になります。

 症状は、骨量が減っただけでは、出てきません。骨折になると、変形や痛みが出てきます。身長が縮む、背中が丸くなる(亀背)などは、背骨の変形・圧迫骨折によるもので、慢性の腰痛や背痛、胸痛なども出てきます。骨折は、脊柱(背骨)、大腿骨(太もも)などに起きやすく、最も多いのは脊柱の骨折です。80代以上の方では実に43%にも及びます。その結果2cm以上の身長短縮がおき、亀背も伴ってきます。

 治療ですが、1.運動療法(軽い運動、体操、運動療法など)、2.食事療法(1 日七〜八百mgのCa摂取など)、3.薬物療法(程度や症状に合わせて、Ca薬、ビタミンD3、K2薬、ビスホスホネート薬など併用もします)。 4.理学療法・温熱療法・マッサージ・コルセットなども併用します。5.手術(骨折に対して行われます)

 治療は、骨格の健康を維持し、骨折を予防するためですから、長期に渡ることになります。酷くなった時も、種々の治療法を組み合わせて、治療が継続されます。整形外科医、かかりつけ医に受診して、適切な診療をお受けください。