ドクターおおばの
医療相談
院長  大場 敏明

喘息でしょうか

Q 「朝晩冷え、日中も冷え込みセキが止まりません。もともと気管支が弱く季節の変わり目にはセキを出します。胸元を温めるとセキは治まっていたのですが、今回は止まりません。大人になっても喘息になると聞いたのですが、突然喘息になるのでしょうか。(30代女性)」


A 冷え込みにより咳が出て、温めても止まらないが、それが喘息なのかどうかの診断と、成人発症の喘息があるのかとの御質問ですね。

 まず喘息(気管支喘息)の診断ですが、症状からも大よその判断がつきます。喘息の場合は、多くはアレルギー性ですが、咳以外に、ゼイゼイ、ヒューヒューといった喘鳴(ぜんめい)や呼吸困難を伴うことが特徴的です。同じような咳が長く続く場合には、咳喘息も疑われますが、その場合は喘鳴や呼吸困難が出ないので区別がつきます。また、痰が主に続く場合は、慢性気管支炎(タバコ、大気汚染などによる)の可能性もあります。是非、受診されて、診察と検査をお受け下さい。

 次に、喘息と気候の関係ですが、春・秋の季節の変わり目や気候の不安定な時期に出やすいことは、良く知られた事実です。また低気圧や台風の近づいた時、寒冷前線の通過時にも悪化しやすく、前日に比べ5度C以上の気温降下があると発作が起きやすいと言われています。これにはアレルゲンの季節変動にも関係があるようです。

 そして、成人発症の喘息が、実は少なくない事も指摘されており、一説には40歳を過ぎてから発病した人が約5割を占めているようです。喘息は子どもに多く見られますが、子どもの頃からずっと続いている成人喘息は必ずしも多くないようです。発病の仕方としては、前兆なく突然の場合(アレルギー原因物質の接触)と、風邪が長引いて起きてくる場合とがありうるのです。その他のきっかけとしては、過労、ストレス、運動、タバコの煙、強い臭い、冷気、飲酒、月経など、実に様々な誘因があげられます。また、誘因によっては、容態の急変(重積発作)、チアノーゼや意識障害など、最悪の場合は窒息死という事態にもつながりかねません。是非、ご受診下さい。