A 1月末から2月に入ってからの冷え込みで、首都圏も氷点下となり、日本列島全体が凍りついてしまいそうです。連日の寒さと乾燥で、インフルエンザ感染も急に拡大しています。2月4日の国立感染症研究所発表では、患者数が全国で173万人にのぼり、昨季同時期の2倍となり、大流行の指標となる警報レベルを超えたとのことです。
さて今年の特徴ですが、冬休みを終えた学校などで流行が広まったために5〜14歳の小中学生が約半分を占め、60歳以上は8%と、高齢者にはあまり広がっていません。また、2009年春〜10年に大流行した新型インフル(H1N1)は少なく、A香港型が9割を占めています。今季のインフルエンザワクチンは、A香港型とB型、新型の3種類が含まれる混合ワクチンで、現在の流行に対応しています。しかし、ワクチンは、肺や気管支の免疫力を高める効果は期待できても、感染経路の喉や鼻などの粘膜には作用しません。つまり、肺炎などの重症化を抑える作用はあるものの、ウイルスの侵入は防げないので、過信は禁物です。予防としては、外出後の手洗い(石鹸水と流水で)か、速乾性アルコール消毒剤が有効と言われ、また、加湿器で、適度な湿度を保つことも重要です。
次にタミフル内服についてです。まず、抗インフルエンザ薬(リレンザ、イナビルも含む)の効果は、ウイルス増殖を抑えるもので、飲めば自然経過より1〜2日早く症状を改善すると言うものです。ところが問題は、タミフルによることが疑われる異常行動で、これが報告されている10代の未成年患者に、原則として使用を差し控えることとされています。また、10歳未満の一歳以上の小児は、万が一の事故を防止するための予防的な対応として、内服後2日間は、一人にしない事の注意が必要とされています。従って、小学生や中学生には、抗ウイルス薬の使用が必要だとすれば、リレンザの方が試される薬剤かと考えます。
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