ドクターおおばの
医療相談
院長  大場 敏明

ぎっくり腰の治療と予防

Q 「8年前、くしゃみをした時にぎっくり腰になりました。それ以来、花粉症の時期や季節の変わり目のくしゃみで腰を痛めます。院で診察してもレントゲンを撮り問診するだけで、湿布、鎮痛剤、コルセットを処方されます。他に治療方法や腰痛の予防を教えて下さい。」


A 腰痛は、厚労省統計で有病率トップ、国民の7−8割が、一度は罹るありふれた病気です。腰痛の多くが急性腰痛症(ぎっくり腰を含む)で、9割が6週間以内に回復します。1割が、3ケ月以上痛みが持続し、鎮痛剤などが効きにくい慢性腰痛症です。急性腰痛症は、再発を繰り返すことも多く(再発性腰痛)、慢性腰痛症とは区別され、治療も異なってきます。

 ご質問の方は、ぎっくり腰の再発と考えられますが、実は私も、性腰痛の再発を経験しています。10年前には、かなり痛くて、しゃみがつらく、車の乗り降りも大変でした。でも仕事は普通に続け、知り合いの整形外科医に受診したところ、腰椎X線で、腰椎分離あるが痛みとは無関係で、筋肉の炎症との診断でした。急性腰痛は、前兆として腰の筋肉の凝り固まった状態があり、ささいな動作や姿勢、きっかけなどでも筋肉が痛み、腰痛が出てきます

 急性腰痛症の予防ですが、まず腰痛体操やラジオ体操、ウオーキングなどで、筋肉の循環を良くしたり、腰の筋肉の適度な強化に努めることです。また前兆とも言える腰の筋肉の強ばりや違和感が出始めたら、キクっとしやすい動作や中腰姿勢を避け、物を持つ時には、足を開いて腰を折る動作を心がけましょう。強ばった筋肉をホッカイロなどで保温し循環を良くしたり、その部分を手で抑えたりすることで、ぎくっと来ないように予防してみましょう。(私の予防法です)

 治療は、痛み止め内服・シップ使用・コルセット使用など痛みを和らげることで、患部が熱を持っていなければ保温し、睡眠確保・疲労回復も必要です。治療ガイドラインでは、安静臥床及び運動療法は、推奨されていませんが、私は痛み出した比較的早期に、予防法も適宜行っています。数週間以内には改善しますので、心配されずに治療・予防を行って下さい。