A 昨年の血圧140位が、今年は180代、下が100位に上ったとのことですね。
まず、昨年の血圧140ですが、40歳代は若・中年層で、高血圧治療ガイドラインでは正常範囲が130/85以下ですので、正常ではありませんね。そして今年、本格的に上がってきたようですね。近年、早朝高血圧が問題となっており、24時間にわたる高血圧管理が重要とされております。健診で高血圧と指摘されましたら、まず家庭血圧計をお求めになって、少なくとも朝昼晩3回の自己測定をされて、近医を受診なさって下さい。
高血圧症の8−9割を占める本態性高血圧は、原因が不明で遺伝性のものです。これが発症してくるのは、男性で35〜50歳、女性で45歳〜55歳の間が多くなります。一方、35歳以下で発病した高血圧は、若年性高血圧と定義され、腎性、内分泌性、血管性など、はっきりした原因をもつ二次性高血圧が多くを占めます。従って、40歳過ぎの質問者の場合は、まず本態性高血圧の発症と考えられます。もし、ご両親・ご兄弟の中に、高血圧の方がいらっしゃれば、遺伝性(=本態性)が強く疑われます。二次性高血圧は、尿・血液などの検査で
判断できますので、それを除外した本態性高血圧の診断は、容易です。
さて、変わっていないとの食生活ですが、一方で加齢とともに運動量や代謝は低下しますので、バランスが崩れて「中年太り」等となります。40代以後でも、若い時と変わらない食生活を続けますと、食塩・カロリーの過剰摂取となり、血圧上昇につながります。
高血圧管理ですが、治療の第一歩は、生活習慣の修正です。食塩制限(一日6g未満)、野菜・果物の摂取、減量(BMI25以下)、適度な運動(1日30分以上)、節酒、禁煙が効果的で、まず養生すべきです。投薬は、リスク要因の有無と、養生後の血圧の高さで判断されます。是非しっかりと治療なさって下さい。
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