A 猛暑到来の日本列島。高齢者や乳幼児など、家庭で取り組めば「熱中症は防げる」と前回お話ししました。ポイントは、室温の調節と、水分・塩分補給、体表温度を下げること等です。
ところが、今回の質問者のように、炎天下での作業や運動の場合は、熱中症になりやすい過酷な高温環境が避けられないわけですので、特別の対策や工夫が必要でしょう。
まず水分・塩分補給です。日常生活や軽作業ではジットリと汗をかく程度で、塩分喪失は少いので、細めな水分補給だけで十分です。通常の食事以上の塩分摂取は血圧上昇の心配も出てきます。一方炎天下での力仕事や運動では、大汗の状態となり、水分と塩分の喪失量が段違いとなります。適度に塩分(食塩水濃度0.1-0.2%)を含むスポーツ飲料などの摂取が是非必要です。
つぎに体表温度の調節です。
@ 直射日光に皮膚を曝さないことが重要です。帽子・頬かぶり・長袖・手袋など身体中に「マイ日陰」を作りだし、皮膚温上昇を防ぐことです。又、直射日光は、皮膚炎・ヤケドをおこしたり、紫外線が皮膚がんの増加につながるなど皮膚の健康には悪玉です。炎天下で上半身裸の散歩や自転車などは良くありません。特に中高年以上の方は、健康管理として日射を避け、マイ日陰を沢山作りましょう。
A 効果的なクーリングで、頚部には太い動脈があり、体温調節に有効です。また脳内の温度調節にも有効で、自律神経などの中枢の機能維持につながります。体温や血流の調節が適切にできるように、脳内の温度が上がりすぎない事も重要です。また、もしファッション性を無視できるなら、マイ日陰の諸グッズを作業や運動前、そして乾いたら、水に浸して、直接皮膚を水冷することです。
「マイ日陰」と「水冷」で熱中症を防ぎましょう。
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