ドクターおおばの
医療相談
院長  大場 敏明

花粉症の最新治療

Q 「花粉症の季節です。毎年、鼻水、涙が止まらず困っています。最新の対処法などはあるでしょうか。」(山梨・K)


A  花粉症は、花粉が原因のアレルギー疾患で、くしゃみ・鼻水・鼻閉の鼻炎症状が3大症状とされています。さらに、目のかゆみ・涙目(アレルギー性結膜炎)や皮膚の赤み・痒み(皮膚炎)、さらに微熱・だるさ・頭痛など全身症状も伴うことがある困った国民病ですね。

 原因となる花粉の飛ぶ時期は、全国の平均でスギが2−4月、ヒノキが4−5月などで、最も多いスギ花粉症の季節到来で、今年は10倍だとか、嫌な予報がでていますね。

 対処法ですが、まず第一に、アレルゲン(花粉)の回避と生活の注意です。外出時には、御存じの花粉症グッズ(マスク・メガネなど)で花粉をシャットアウトすること。そして帰宅時には、花粉を室内に持ち込まないように、服をよく払うことと、うがい・洗顔も必要です。日常生活でも、バランスのとれた食事、睡眠不足をなくした規則正しい生活も重要です。

 次に、抗アレルギー薬(第二世代抗ヒスタミン薬や抗ロイコトリエン薬など)の早期内服です。花粉の飛びだす予想日の1週間前などから、症状がなくても内服開始することで、予防効果が期待されます。鼻づまりが中心の場合は抗ロイコトリエン薬が効果的と言われています。

 第三に、外科的治療法も、予防法として広く行われてきています。化学剤手術、レーザー手術、電気凝固治療など、外来通院で行われています。毎年の処置が必要な場合が多いようです。

   第四に、最近注目されてきているのが、アレルゲン免疫療法です。以前より減感作療法と言われ、アレルギー体質を改善する最も有効な治療で、適切に行われれば8割が根治するとのことです。難点は、皮下注射であり、時間がかかり、副反応もあり、続けにくい事です。そこで、新しく、注射ではなく、副作用も少ない、治療期間も短くなった舌下免疫療法が登場しました。現在は大学等で治験中ですが、有効率は7割位で、保険適応になれば普及すると思われます。