ドクターおおばの
医療相談
院長  大場 敏明

尿が近くなりました

Q 「尿が近くなり、30分くらいで もよおします。夜中に起きてトイレに行くこともたびたび。原因は何が考えられますか。お酒はあまり飲みません。」 (鹿児島・S)


A  尿が近くなり、頻繁にトイレ通いをする状態を、頻尿といいます。平均的な尿回数は、昼間が4〜5回、夜間は0〜2回前後で、昼8回以上、夜3回以上を頻尿と言います。

  頻尿の場合に、まず区別しなければならないのが、一日の尿の量が多いのかどうかです。一日量は、成人平均で800mlから2000ml程度で、膀胱に貯められる尿量は200から300mlですから、排尿総量が増えている状態(多尿)であれば、一般的にはそれだけ、尿回数が増えることになります。一日量が3000ml以上を多尿と言い、脳疾患による中枢性尿崩症、腎疾患などによる腎性尿崩症、糖尿病による多尿、心因性多飲による多尿、利尿剤・抗精神薬などによる薬剤性多尿などがあります。

  次に、多尿ではなく、尿回数が増えるのは、尿意頻回のためです。原因は、膀胱や腎臓などの泌尿器系の病気の場合と、臓器に疾患はないが頻尿になる状態とに区別できます。

  泌尿器の病気としては、まず炎症の場合で、膀胱炎や前立腺炎・腎盂炎などで、排尿時痛、不快感、残尿感を伴い、尿の検査で異常が認められることから判断できます。炎症がない場合で、中高年の男性であれば、前立腺肥大が考えられ、排尿に時間がかかったり、尿がチョロチョロとしか出ないとか、夜間も頻尿になることが多いです。

  頻尿だけで、他の症状がなく、尿量も少ない場合は、膀胱内腫瘍・子宮筋腫・卵巣腫瘍 膀胱周囲の臓器の異常により膀胱が圧迫された状態など、重大な病気が隠されている場合もあります。又加齢による頻尿(足腰の筋力低下や膀胱外括約筋の低下)や「神経性頻尿」も少なくありません。一度は、かかりつけ医にご相談ください。