ドクターおおばの
医療相談
院長  大場 敏明

「腰部脊柱狭窄症」について

Q 「高齢になると、足のしびれや痛みで歩行に支障が出る「腰部脊柱狭窄症」というのにかかりやすくなると聞いています。症状、予防法を教えてください。」 (北海道・K)


A  腰部脊柱管狭窄症という病名を、最近良く耳にされると思いますが、高齢化に伴って多くなっており、慢性腰痛の主因として診断されることが増えている病気です。

  この病気は、背骨の中を縦に走っている脊柱管という部分が狭くなって、その中を通っている神経の束が圧迫されて起きるものです。そうなると、腰痛やしびれが起きて、歩行障害が出てきます。あらゆる年齢層に発症しますが、特に多いのが50代〜70代の世代で、ある調査によると60代での発症率が30%近く、70代では40%に及ぶようです。

  狭くなる原因ですが、腰椎すべり症、椎間板ヘルニア、腰椎への手術、変形性変化などがあげられて、中高年に多く、加齢によるや病気や変性が原因です。 

 症状として特徴的なのは、「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」ですが、歩き始めはさほど症状は強くなく、しばらく歩くと足が痛くなったり、しびれたりして歩くことができなくなる状態を指します。休むと症状はすぐに良くなり、また歩いたり立ったりできます。これは立って歩くことで、脊柱管がいっそう狭くなり神経や血管を圧迫するためで、逆に休んで前かがみになると脊柱管がやや広くなり、圧迫が解除されて症状はなくなるのです。

  予防ですが、発症の危険因子が、高齢・運動不足・肥満・ストレス・喫煙なども絡んでいると言われています。筋力アップ,ストレス解消のために散歩・体操など努力してみてください。肥満がある方は、是非改善してください。禁煙も必要です。もし症状がでてきたら、かかりつけ医・整形外科医に早期に受診し、適切な診断、治療をお受けください。