ドクターおおばの
医療相談
院長  大場 敏明

今年のインフルエンザの特徴について

Q「寒い季節になってきました。今年はインフルエンザの流行が早いと聞きました。今年のインフルエンザの特徴と予防について教えて下さい」(北海道 ・K) 

 今年のインフルエンザの特徴は、これまでにない早さで流行し始めていることです。国立感染症研究所の感染症情報センターがまとめる全国調査によると、11月中旬の患者数としては、センターが調査を始めた87年以降で、過去最多になっています。例年は、12月上旬〜1月上旬に流行しはじめ、1月上旬から2月にかけて流行のピークとなりますので、今年は1か月早いことになります。やや遅めだった昨シーズンは、1月に入り流行し始め、流行のピークは3月でした。「これから患者数はもっと増え、12月中に本格的な流行になるだろう」とは感染症情報センターの説明です。
 今年の出現ウイルスは、Aソ連型が94.6%を占め、A香港型が5.4%でした。接種ワクチンの型は、、Aソ連型はソロモン諸島/3/2006(H1N1)、A香港型が広島/52/2005、B型はマレーシア/2506/2004という3種の型で、後2種は、昨年と同型です。
 予防としては、まず流行前のワクチン接種が重要で、罹患した場合の重症化防止に有効と報告されており、なるべく早めに受けましょう。そして「手洗い、マスク、うがい」で予防に努めましょう。
 今年度の厚労省の標語としては、「ひろげるなインフルエンザひろげよう咳エチケット」であり、他の患者さんへの感染拡大の防止を強調しています。「咳エチケット」=マスクの着用や人混みにおいて咳をする際の注意として、「@ 咳・くしゃみの際にはティッシュなどで口と鼻を押さえ、他の人から顔をそむけ1m以上離れる。 A呼吸器系分泌物(鼻汁・痰など)を含んだティッシュをすぐに蓋付きの廃棄物箱に捨てられる環境を整える。 B咳をしている人にマスクの着用を促す。マスクの装着は説明書をよく読んで、正しく着用する。」以上の3点を呼びかけています。
 また、@帰宅時のうがいと手洗 A適度な湿度の保持 B十分な休養と栄養摂取なども、例年どうり重要で、これらを励行して、インフルエンザを予防しましょう。