ドクターおおばの 医療相談
	院長　　大場　敏明
	「肩こりの治療と対処について」 Ｑ 「肩こりがひどく、整形外科に受診しました。骨には異常がないと言われました。鍼灸にも通いたいと思っていますが、医師によっては鍼灸を否定的な見方もあると聞きます。鍼灸を含めて肩こりの治療と対処について教えて下さい。よろしくお願いします」（青森・Ｆ）
	Ａ　肩こりで、お悩みの方は多いですね。肩こりとは、「首筋、首の付け根から肩甲部に筋肉が重だるく、はった感じとなり、鈍痛を伴ったり、時には頭痛・吐き気を伴う」と解説されています。 　　原因としては、�@過労・悪い姿勢・緊張　�A頚椎症など頸部の病気、高血圧、更年期障害、眼精疲労などの伴うもの　�B誘引がなく、原因不明のものなどです。 　治療は、原因によって違うわけですが、最も多い�@として、医学的な治療は３点挙げられます。第一が、生活上の注意で、長時間の同一姿勢を避ける・頸部や肩の保温に努める・睡眠を十分に確保することです。第二に、運動療法として、全身の運動（散歩、ジョギング）、頸部・上肢の運動・体操、緊張をほぐすためのリラグゼーションが有効です。第三が、薬物療法で、筋の緊張をとる薬、消炎鎮痛剤などを処方し、ストレスが強い場合は、抗不安薬や抗ウツ剤の使用も有効な場合があり、漢方薬も適切に選択すれば有効です。また症状が強いときは、局所注射療法も即効的効果があります。 　さて、ご質問の鍼灸治療ですが、昔から鍼灸・指圧は有効であると利用されておりますし、東洋医学でいう「ツボ」を刺激することで、症状を取り除き、体調を整え、身体の働きを高める治療法です。医師の中に否定的な見方が一部にはあるかと思いますが、多くは、その有効性を認めていると思われます。私の知っている範囲でも、積極的に奨励する整形外科医もいますし、また、医師会の集まりでは、鍼灸院の院長を招いて交流するときもあるくらいで、心配される必要はないと思われます