ドクターおおばの
医療相談
院長  大場 敏明

40歳すぎの、体の変化は?

40歳の後半を過ぎ、体の変化を感じます。若いときは少々食べても太ることはありませんでしたが、最近は食べた分、体に身についているようです。体重もなかなか減りません。加齢とともに新陳代謝が悪くなるとよく言いますが、体にどんな変化が表れるのでしょうか」(福岡・N)

A 「40歳後半といいますと、中年世代(40から50代)の始まりですが、増えた体重が減らない悩みをおもちの方が増える世代ですね。今話題のメタボリック・シンドロームの主役ともいえる所謂「中年太り」と、原因となる体の変化について説明します。
 まず「中年太り」ですが、その特徴は、@食べる量は増えていないのに太る、A生活習慣が変わらないのに太る、B特にお腹や下半身が太る、C3040代のある時、急に太りだす、等です。中年になって、身体の機能は、様々な面で若い時のようには行かなくなってきます。特に、多くの人の場合、運動量も筋肉量も減ることになり、体脂肪率が徐々に上昇しはじめます。中年太りと最も関連する変化としては、少し解りにくい言葉ですが「基礎代謝の低下」があげられます。
 それは、人が何もしないで安静にしていても、生命活動を維持するために体内で自動的に(生理的に)行われている活動に使われるエネルギーで、総エネルギーの約70%を占めています。この基礎代謝量が世代とともに変化するのです。こまかい説明になりますが「基礎代謝基準値」つまり、体重あたり/一日当たりの基礎必要エネルギー量ですが、1−2歳が最大値で、年代とともに下がってきて、大雑把に言えば10代後半で半分、50代で3分に1に減少しますが、20代から30代になると1割減、さらに40代になると1割弱減となります。
 つま
り、中年になると体そのものの必要エネルギー消費量が低下してくるために、今までどうりの食事と運動をしていればカロリーオーバーとなり、消費しきれなかったエネルギーを脂肪細胞が蓄え、膨らんだ結果、中年太りになってくるのです。