ドクターおおばの
医療相談
院長  大場 敏明

腹部動脈瘤破裂で友人が亡くなりました

Q 「
友人が突然、腹部動脈瘤破裂で亡くなりました。お腹になにかしこりができているとは言っていましたが、元気そうにしていました。動脈瘤について教えて下さい」(京都・F)

A 元気そうだった友人が、突然お亡くなりになったとは、非常に驚かれたことと存じます。
 腹部動脈瘤とは,おなか(腹部)の真中を縦に走っている大動脈が,風船のように膨れた状態を言い、医学上は、腹部大動脈瘤が正式名です。原因はほとんどが動脈硬化によるもので、その他、損傷、感染、動脈壁の結合組織の先天異常、などがあります。 症状は腹痛,腰痛等の痛みを感じる場合もありますが,多くの場合は、何も症状がありません。
  ご友人は、腹部のしこり(腫瘤)を知っておられたようですが、ご自分で触って気づかれたのか、又は、健診などの腹部診察で見つかっていたのでしょうか。いずれにせよ、しこりに気づいたのに、放置しておられたのは残念だったと思います。腹部の超音波検査、CT検査などでしこりの検査をすれば、動脈瘤との診断はそう難しくはありません。そして、その大きさが4cm以上になると、破裂する可能性が高くなるので手術をすすめられたでしょうから。もともと直径2cm程度の大動脈が2倍以上に膨れて大きくなりますと,何かのきっかけで破裂し,激しい腹痛・腰痛とともに急激な血圧低下がおこりショック状態となり、急死することが少なくありません(死亡率は実に約50%)。
  腹部大動脈瘤が,いつ破裂するかの予測はできませんので,4cm以上の動脈瘤は手術(動脈瘤の部分を人工血管で置き換える)が必要です。又、最近バネ状の金属をつけたステントグラフト挿入術(血管カテーテルで)も普及しつつあります。
 一方、4センチ以下の小さな動脈瘤の場合は,内服薬によって血圧を下げる治療を行いながら,3か月から6か月ごとに瘤の大きさを観察していく方法がとられます。