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A 貧血とは、血液中のヘモグロビン(血色素)や赤血球の数が減った状態をさします。ヘモグロビンは、身体のすみずみに、酸素を運ぶ役割をしていますので、貧血になると、人体の各部で酸素欠乏状態に陥り、様々な症状が出てきます。疲れやすい・めまい・頭痛・立ちくらみ・顔色わるい・集中力低下・動悸・息切れ・頻脈・足のむくみなどです。
なぜ貧血になるかといえば、@赤血球の産生低下(鉄など血液の材料が少ない・血液を作る力が落ちるなど) A赤血球の寿命短縮(溶血など) B出血して赤血球が減るなどがあります。そして貧血を起こす病気としては、鉄欠乏性貧血・出血性貧血・溶血性貧血・悪性貧血・再生不良性貧血・骨髄異形成症候群などがあります。
中でも一番多いのが、鉄欠乏性貧血で、特に女性に多く、赤血球の必要材料である鉄分が少なくなって、赤血球を十分に作れなくなります。鉄が欠乏する原因としては、鉄分が足りないとか蛋白質が不足する食事、出血などで鉄分を失った場合などが考えられます。
女性の場合は、生理や妊娠・出産・授乳などで鉄分を失いやすく、又月経過多の場合も鉄欠乏になりやすいです。この月経過多での貧血は、婦人科疾患(子宮筋腫・子宮癌・内膜症等)が原因であり、貧血の治療だけではすまず、注意を要します。又男性の場合、消化性潰瘍、消化器癌、痔疾などの出血で貧血になることがあり、精査が必要です。
貧血の治療法は、原因に応じて全く異なりますので、必ず診察を受けて、貧血の原因と病気の診断を正確に確定することが重要です。一番多い鉄欠乏性貧血の治療としては、まず減っている鉄分の補給が必要で、食事の注意と鉄剤の内服が一般的です。鉄剤の注射は、早く回復させたい時や鉄内服薬が吐き気で飲めない時に行う時があります。また、貧血の回復が緊急に必要な病状では、輸血もします。
いずれにしても、貧血の原因精査と、正確な診断がとても重要です。
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