ドクターおおばの
医療相談
院長  大場 敏明

手足がときどきしびれます

Q「手足がときどきしびれます。しびれは重大な病気に前ぶれとも聞きます。どんな病気が隠されているのでしょうか」(京都・A) 

手足がしびれる」と受診される方は、脳梗塞など脳の病気を心配なさっているように思いますが、実に様々な原因があります。しびれの原因は、@神経障害によるもの(脳・脊髄の中枢神経や末梢神経の病気)、A血流障害によるもの(循環器・血管系の病気)、B糖尿病など代謝系の病気 C呼吸器・消化器・腎臓系の病気、D栄養障害・薬物性・中毒など E感染症・膠原病などと、多種多様です。
 その中で、しびれの原因となる病気を診断する上で、参考になるのは、しびれが出ている場所・部位と特徴などです。1)左右どちらかの片半身に出る場合は、脳梗塞など脳血管障害が考えられ、同側の麻痺(片麻痺)が出ており、痛みは伴わないことなどで、疑いが強まります。2)片方の手や腕にしびれがある場合は、頚椎症・頚椎椎間板ヘルニア・胸郭出口症候群・手根管症候群などが疑われ、痛みを伴なうことが多いです。3)片方の足(太腿から足までのどこか)に出ているときは、腰部脊柱管狭窄症・腰椎症・椎間板ヘルニアなどの腰椎疾患と、バ−ジャ−病・閉塞性動脈硬化症などの動脈性疾患が原因と考えられます。足の冷感と間欠性跛行(歩くと痛みやしびれがでて、歩行と休息を繰り返す)などがあれば動脈の病気が疑われます。4)四肢の手足がしびれる場合は、頚椎椎間板ヘルニア(首の痛み、歩行障害も)、頚椎後縦靭帯骨化症(歩行障害、排便・排尿障害など)、多発性硬化症(視力低下、手足の脱力、歩行障害など)、5)四肢のしびれで、手足の先に症状がおきるしびれ感で、糖尿病・代謝疾患、中毒、ビタミンB群欠乏による代謝障害、抗生剤などによる副作用でも起こります。
  以上、医学病名ばかりでやや難しいお答えでしたが、ご参考になれば幸いです。