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A 年齢を重ねますと男女を問わず尿の回数が増える傾向にありま す。一般的に成人の一日の排尿回数は、平均で6〜7回で、これが 8回を超えると「頻尿」といわれます。また夜中に2回以上トイレ
に起きるようになると「夜間頻尿」と言われます。男性の場合はま ず前立腺肥大が疑われますが、女性も加齢により増える傾向があり、 膀胱機能の問題、更年期の影響など、原因は様々です。
頻尿には、大きく分けると尿量が増加(多尿)した結果の頻尿と、 尿量は増えないが尿意(尿をしたくなる気持ち)が頻繁に起こる場 合との2つがあります。膀胱の容量は大体ニ百〜三百ccで、一日量
は、平均で千〜二千ccですが、四千cc以上が多尿症と定義されます。
「多尿」の原因ですが、単に水分の摂りすぎ(「多飲」)による 場合もあり、寝る前にお茶・コーヒー・ビールのとりすぎで夜間頻 尿となることがあります。心因性の多飲症が、更年期症状の1つと
して見られる場合、加齢によって抗利尿ホルモンの分泌が悪くなっ て、尿が濃縮されずに尿量が多くなる場合などもあります。又、腎 内分泌などの病気(尿崩症や糖尿病・慢性腎不全の一時期など)や、
脳障害(脳外傷・脳腫瘍など)による多飲症などの場合もあります。
次に尿量は増えずに起きる頻尿ですが、膀胱・尿路系の様々 な病気が原因となります。膀胱炎、尿道炎、膀胱がん、前立腺炎、 膀胱および尿管結石などに伴う頻尿です。又、膀胱容量が減り、一
回の排尿量が減ってしまう膀胱腫瘍や結石、膀胱周辺の臓器(子宮 や卵巣、大腸など)の腫瘍による膀胱圧迫も原因になります。
膀胱にたまっている尿を一回ですべて出し切れないための頻尿と しては、男性での前立腺肥大症や前立腺がん、神経疾患などによる 「神経因性膀胱」や、ストレスなどによる「神経性頻尿」もありま
す。様々な原因がありえますので、かかりつけ医に、ご相談の上、 必要なら、腎・泌尿器科専門医の受診もご検討ください。 |