ドクターおおばの 医療相談 |
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院長 大場 敏明 | ||
A 「てんかんは、てんかん発作(ひきつけ)を繰り返す病気で、脳に ある何らかの傷が発作源になるものです。その傷による特徴的な脳 波変化が、検査で認められて、診断が確定されます。発病時期は、 各年齢層に及びますが、15歳以前の小児発症が約3分の2を占め 、患者数は、日本全体でおよそ百万人(国民百人に一人近く)です。 主症状のてんかん発作は、様々あり、30種類にも分類されて います。全身性発作や、短時間の意識喪失発作、吐き気・発汗など (自律神経)の発作等です。この中には薬なしで自然に癒るものか ら、一定長期の服薬が必要なもの、どんな薬でも発作をとめられな い難治性までと様々です。脳の手術で発作が止まったり、軽くなっ たりする例もありますが、一般的には薬物治療が必要で、約8割の 方は、内服治療で発作が止まります。 小児発症のてんかんは、年齢とともに脳が成熟して、脳の傷その ものが残っていても、発作が起こらなくなっていき、10人中8〜 9人は薬をやめられるようです。しかし、薬の減量や中止は、主 治医である専門医の指導の下に行われるべきで、決して自己判断で 中止してはいけません。一般的に薬を中止できる基準は、2〜5年 間発作がなく、2年以上脳波が正常化している場合です。 薬物治療(発作予防薬)の目的は、生命に関わる重症発作を予防 することと、繰り返す発作(知能の伸びが遅れる)の予防、そして、 発作による思考力の低下を予防するためです。 規則正しい生活や十分な睡眠も大事です。子供の脳の成長を促 すという意味があり、また疲れをためない事で、発作がおきにくく なり、薬は飲んでいても普通の社会生活が送れるようになります。」 |
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