ドクターおおばの
医療相談
院長  大場 敏明

「新型インフルエンザについて、予防や治療について」

Q「この冬は新型インフルエンザが大流行すると新聞などでしきりに報道され 不安に思っています。予防接種を受けようかどうか迷っています。どんな インフルエンザなのでしょうか?予防や治療についても教えて下さい」(北海道・T)

A 新型インフルエンザの流行について、新聞報道のように、今般、その 「危険性が高まってきている」と警告されています。もし新型インフルエ ンザが流行しだしたら、世界中で大きな被害が予想されており、皆さんの 不安は当然だと思います。
 そこで政府厚労省は、「WHO(世界保健機関) 世界インフルエンザ事前対策計画」に準じ「新型インフルエンザ対策行動 計画」を策定、実行しだしています。
 まず、予防接種についてですが、現在行われているのは、今まで毎年流 行してきたインフルエンザへのワクチンなので、新型インフルエンザへの 備えにはなりません。しかし、今まで同様、冬になると現在の型の流行も 予想されますので、それに対しては一定有効ですので、接種をお勧めしております。今までも、A型に罹りB型にもかかってしまう方がおりましたし、従来型への予防措置もとった方がよいでしょう。(ただし、もうワクチン不足が出てきておりますので、これからだと如何でしょうか)
 いま鳥の間で流行しているインフルエンザは重い症状を引き起こす高病原性鳥インフルエンザで、アヒルやカモなどの水鳥は感染すると約半数が死んでいます。そして東南アジアではこれに人が感染して、六十八人が亡 くなっています。しかし人への感染は偶発的で、濃厚接触の場合が殆んどで、幸い人から人に感染する力は獲得しておらず、大流行にはなっていません。ところがこの鳥インフルエンザが、人から人への強い感染力を獲得 してしまう人型のウイルスに変異したものが新型インフルエンザなのです。
 予防は、まずWHOが、世界的な流行(パンデミツク)への対処プランを立てて、世界規模で実行されようとしていますし、日本でも国家での対策 が立てられています。個人レベルの予防策は、毎年言われているインフル エンザ対策(健康維持・うがい・手洗いなど)をしっかりすることで、新 型インフルエンザの場合も同様です。 治療はタミフルなどで、効果はあると予想されますが、全く新しい型な ので、予測がつきかねるといわざるを得ません。