ドクターおおばの
医療相談
院長  大場 敏明

「冷え性で悩んでいます。」

Q「冷え性で悩んでいます。寒い季節になってますます症状がひどく、少しでも症状を和らげたいのですが、なにか方法はないでしょうか。また根本的に治すことはできないのでしょうか。   京都・女性」

A 最近、冷え性に悩まれる方がふえているようです。ある調査によると、冷えを自覚される方は、女性ではほぼ2人に1人の割合にも及びます。又、男性は1割位ですが、増加傾向と言われております。冷えを感じる季節は、やはり冬が圧倒的に多いのですが、暑い真夏であっても訴える人もあり、冷房など生活環境の影響も大きいと思われます。
 冷え症の原因は、所謂”体質”であったり、車社会や冷暖房の普及などの生活習慣や運動不足や無理なダイエットなど偏った食生活、ストレスなどです。しかし、まれには、膠原病などの免疫病、甲状腺機能低下症などの内分泌病、不整脈など心臓病、そして貧血症など治療を要する病気の場合があります。一度は検査を受けることも必要です。
 冷え性の治療ですが、末梢循環改善薬、ビタミン剤、ホルモン剤など薬物療法も一定有効です。体質や病状によって薬を選ぶ漢方治療は、冷え症は得意分野の一つですので、試みる価値があります。一般医院でも、徐々に普及してきていますのでご相談ください。 薬治療以外では、生活習慣の工夫も、冷え症状を和らげます。食事は、毎食きちんと食べることと、ビールやアイス、生野菜、果物など体を冷やす食物は、取り過ぎないようにし、特に夜は避けましょう。運動は、筋肉をつけ、代謝を活発にするので有効です。歩行通勤や遠方歩行買い物など、日常生活に組み込んで、1日1万歩は歩きましょう。(高齢者・心臓病の方は、主治医と相談が必要です)。服装は「下半身を温かく」が基本です。血行を妨げるガードルやきつい下着は避けましょう。半身浴(38〜40℃のぬるめのお湯に20〜30分、下半身だけを浸す)や服を着たまま行える足浴(少し高めの40〜42℃程度のお湯に下腿部ぐらいまで15分ほど入れる)も効果的です。いずれも根本的治療とは言えませんが、いろいろと工夫してみましょう。