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ドクターおおばの
医療相談
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院長 大場 敏明 |
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『C型肝炎』とは、どんな病気なのでしょうか。
Q:「職場の健康診断で要精査の結果がでました。精密検査を受けたところ、
『C型肝炎』と言われ、驚いています。なぜ、かかったのかもわかりません。 どんな病気なのでしょうか。」 (
59歳 男性 )
A:『C型肝炎』は、最近マスコミでもよく報道されていますね。話題になった「薬害C型肝炎裁判」は、治療で受けた血液製剤「フィブリノゲン」投与により、C型肝炎ウイルスに感染したと、被害者が訴訟を起こしたものです。この血液製剤とともに、輸血・医療事故・刺青などが原因になってC型肝炎は感染
します。いずれも血液を通じてのウイルス感染ですが、その他原因不明の場合も少なくありません。
輸血肝炎は、売血制度だった1964年までは、実に約5割の発症率でした。
献血制度になった以後も、なお発症が続いたのは、原因のC型肝炎ウイルス発見(1988年)と高感度検査の導入(1992年)が、A・B型に比べて遅れたためです。
現在、C型肝炎患者は、日本で150万人もいるといわれています。診断される動機で一番多いのが、質問者と同じように、健康診断や献血時検査ですが、実に7割にも及びます。感染しても多くは無症状で経過するためです。又、感染すると、自然に治癒することは少なく、多くは感染が一生涯続く「持続感染」(キャリアー)となります。そして一定の年月を経てから、慢性肝炎となり、その後も進行すれば肝硬変、ひいては肝臓がんの原因になることから、恐れられている訳です。
しかし持続感染状態になったからといって、全例が肝がんになる訳ではなく、慢性肝炎になる方が6-7割、最終的に肝硬変、肝臓がんへと進行するのは2割位と推定されています。
『C型肝炎』の治療は、GOT・GPT値が正常であれば、特別に必要はなく、年に3〜4回の定期検査とします。もしGOT・GPT値が高くて、ウイルス量が高濃度の場合には、インターフェロン治療の適応となります。3割以上のウイルス排除治療効果がありますので、適切な判断が求められるところです。インターフェロン
治療以外にも、内服治療・注射治療など、慢性肝炎の治療も、一定効果が期待できますので、きちんと受診なさることをおすすめします。
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