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ドクターおおばの
医療相談
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院長 大場 敏明 |
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2001/ 10 「レジオネラ肺炎の予防は?」
Q:「レジオネラ菌が肺に進入して肺炎になると聞きましたが、発病を防ぐにはどうしたらいいかを、お知らせ下さい。」
A:レジオネラ菌が原因で起こる肺炎(「レジオネラ肺炎」)は、高熱、悪寒、筋肉痛、吐き気、意識障害等の症状が出て、時として重症になる場合もあります。以前東京都内の特別養護老人ホ−ムで高齢者が、また病院の新生児室で乳児が死亡する事故があったと報道され、注目されるようになりました。
レジオネラ菌は、土壌や河川、湖沼など自然界に広く生息し、25〜43℃(特に35〜37℃は最適)の温度で繁殖しやすい細菌です。土ぼこりとともに冷却塔、カロ湿器、給湯設備、循環式浴槽などに入り増殖します。その汚染水が工アロゾル(細かい水滴)とともに飛び散り、それを人が吸入して肺炎などが発症します。また汚染水の入った食物を食べても感染するとも言われています。
レジオネラ肺炎の予防ですが、レジオネラ菌は自然界に広く生息しているため、私たちの周辺から完全に除去することは困難で、冷却塔など感染源での菌の増殖防止が重要になってきます。そのためには、感染源となる設備や器具の衛生的な管理が求められ、状況に応じて水質検査を行い実態を把握する必要があります。平成11年11月に、建築物の冷却塔の管理
空気調和器の管理など、厚生労働省から地方自治体に防止対策を取るように指導がされています。
家庭内においては 循環式浴槽と加湿器からの感染の危険があります。まず循環式浴槽(いわゆる24時間風呂)の場合は、お湯にレジオネラ菌が生息している可能性があります。お風呂のお湯は適宜取り換え、浴槽の清掃を行うなど清潔に保ちましょう。また、浴槽に入る前には、体の汚れを落としてから入るようにしましょう。また加湿器には、水を溜めておくタンクがあり、このタンクの管埋が悪いとレジオネラ菌が繁殖することがあります。水はこまめに毎日取り換え、使用する水も水道水など衛生的な水を使用しましょう。また、定期的にノズルの清掃やタンクの洗浄を行い、カロ湿器を使用しない期間は水を抜いてきれいにしておきましょう。
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