ドクターおおばの
医療相談
院長  大場 敏明

2001/3「高血圧で脳卒中の発病が高いといわれました」

Q:高血圧で脳卒中の発病が高いといわれました。事前に注意することなど教えてください。避ける方法もお知らせください。

A:最近、高血圧の基準が厳しくされています。1999年のWHO(世界保健機構)の基準では、上の血圧が140、下の血圧が90以上のどちらかでもあれば、高血圧として治療が必要であるとされています。また正常血圧は130/85以下とされ、さらに至適血圧を120/80未満としたように、血圧は低いほど合併症の危険が少なくなるため、厳密な血圧のコントロールが望ましいとされてきています。
 高血圧の合併症は、ご心配の脳卒中の外にも、心臓病・腎疾患・動脈疾患など全身に及びます。その予防のためには、WHOの基準にそった、きちんとした高血圧の治療が重要なのです。
 つまり脳卒中などの予防としては、正常範囲に血圧をコントロールすることが、第一に重要です。血圧が正常になっているかどうかは、自分の感じる症状だけでは全く分かりませんので、定期的に受診して血圧測定・検査などを受けてください。また家庭血圧計も広く普及してきましたので是非お求めになって、自分で測った記録を主治医にご提示下さい。治療の大きな参考になります。高血圧の治療としては薬物療法・食事療法・運動療法の3本柱が重要です。血圧を下げる薬も良い薬が多種類ありますので、主治医に選んでもらってきちんと飲んでください。食事は減塩食(一日に8g以下)とし、肥満のかたはカロリー制限食で体重減少に務めることが必要です。運動は、30分(できれば60分)のウオーキングを毎日、せめて週に3回位は行ってください。禁煙・節酒も生活習慣の改善として重要です。
 脳卒中を避けるには、他の生活習慣病(高脂血症・糖尿病・高尿酸血症・肥満など)の治療も大事ですので、あわせて検査・治療をお受けください。食事療法と運動療法、そして生活習慣の是正は共通して重要です。もっとも大事なことは、いかに健康的な日常生活をすごせるかにかかっているのです。