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Q/A :『医者の説明に疑問もつが--』 2000/6
Q:「薬を2ー3日飲んだらまた来てください」「今のところ異常ありませんが、このままだと将来OO病になります」「様子を見てください」とか、診療のときに医師かに言われますが、どのくらいのことなのか検討がつきかねます。その真意のほどを教えてください。49才 女性 」
A:とても率直なご質問ありがとうございました。医師として何気なく、そして結構使っている言葉ですね。そのアイマイさが患者さんを惑わせているのでしょうか。医学の現状からやむを得ない面もあると思われますのでその真意をお話しいたしましょう。 まず、医師の経験や勉強の不足からくる自信のなさ故にアイマイな説明になる時があることは否めません。何せ多数の疾患と多様な状態があり、医学情報があふれるほど多く、自信のない分野もありますから。 次に、得意分野であってもアイマイな説明になる場合があります。一つは、カゼ・腹痛などの急性の病気の治療見通しなどついてです。そもそも病気の進み具合や治りかたは一人ひとり異なり、一律に何日でなおるとか、進行するとか、予測しきれない場合も少なくないのです。一方で、急性病の薬の治療効果は3日前後で判ることが多く、それで良くなれば大丈夫ですし、良くならなければ治療を変えたり診断を見直したりするので,必ず再診して頂くことが必要です。 もう一つは、癌の発病や、成人病・慢性疾患についての合併症・予後についての問題です。例えば胃がん発生の前段階とも言われている萎縮性胃炎は、「今は心配ないが、将来胃がん発生の危険性はありうる」ので、年1回は定期検診が必要です。また例えば高血圧症も,キチンと治療しないと将来脳卒中・心臓病などになる危険がありますが,注意する表現が「このままだと将来OO病になる」となります。 このように「今後の見通し」について、断定的なことが言えないときに、「アイマイ」な表現になるとこがあると言えます。いずれも担当医に良く説明を受けて,納得しながら,治療をお受け下さい。
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